カルチャー
[再掲]インタビュー
テレ朝『報道ステーション』のウェブCM、「女性蔑視」と炎上! 性差別的な広告の“問題点”を専門家が解説
2021/03/24 21:30
――17年は、男性蔑視だと物議を醸したCMも目立ちました。自由に使えるお金が少ないと嘆く主婦が、夫に向かって「安い電気に替えるか、稼ぎのいい夫に替えるか」と脅す「ENEOSでんき」、ブサイクな男性に好意を持たれた美人の女性が嫌悪感を示す「ALFACE」、花嫁が二股をかけていた男に「俺は君の何だったんだ?」と問い詰められ、冷たく「保険」と言い放つ「保険のビュッフェ」などが挙げられます。
田中 男性蔑視といわれるCMにもパターンがあり、「イケメンかブサメンかという外見差別(ルッキズム)の描写」「男性をATMやお財布扱いする内容」「男性は臭いといった偏見」が多いのではないでしょうか。
今まで、男性は社会的地位や経済力を独占できていた性別なので、“容姿”はそこまで気にならないような状態だったんです。しかし現在、社会的地位も経済力も、男性の独占物ではなくなり、ロスジェネ以降は特に、社会でのポジショニング取りがうまくいかず、経済力も持てなかったという男性が増加しています。男性も、地位や経済力ではなく、外見で選別されるようになり、「地位やお金はないが容姿はいい男性」を、「地位とお金を持った女性」が消費することも珍しくなくなりました。そういった背景から、CMにおける男性の容姿の描かれ方に、疑問を抱く男性が増えたというのはあるのではないでしょうか。かつて、男性は「社会的地位や経済力」、女性は「容姿・見た目」で生き延びていく――といった面があったものの、現在はそれが逆転しつつあるようにも思えます。