V6解散、26年の歴史に幕! SMAP、TOKIO、嵐……「ジャニーズグループの寿命」を専門家はどう見る?
――良からぬ結末とはなんでしょうか。
大関 「花形」の段階にいるときは、メンバーたち自身も、今目の前のことを一生懸命やろうというモードで、事務所も新しいことをどんどんやらせていこうと投資をします。その後、「金のなる木」に育ち、ピークアウトを迎えると、本人はそのことを敏感に察するものなのです。すると、「このままでいいのか」「もっとやるべきことがあるのではないか」といった気持ちが膨らみ、人によってはグループ活動に不平不満を抱いたり、集中力を欠いて問題を起こすケースが出てくる。少年隊はその前に上手にフェードアウトした“理想形”といえ、ジャニーズのアイドルグループのピークアウト、つまり寿命は「15年」と定義できるのではないかと思うのです。
そう考えると、25年活動したSMAPがああいった解散の仕方をしたのは、致し方なかったのかもしれません。もちろんSMAPは並外れた人気を誇っていたので、ピークアウトが15年よりもっと後だったとも考えられますが、それでも「15年」からさらに10年もというのは、活動を引き伸ばしすぎたのでは。本人たちは15年を過ぎたあたりから、何らかの問題意識は持っていたように感じます。事務所は「まだまだ儲かる」と無理に活動を続けさせるのではなく、15年を過ぎたあたりで、速やかにメンバーを自由に……解散なり休止なり、グループとしての形を終え、メンバーが個々人として活動する“次のステップ”を用意してあげるべきだったのではないでしょうか。
――TOKIOも、デビュー25周年目を目前にした昨年、山口達也が強制わいせつ事件で書類送検となり、退所に至りました。
大関 それもやはり、ピークアウトを過ぎてもなおグループ活動を続けたことにより、「集中力を欠いて問題を起こす」メンバーが出てきたというふうに見ることができます。山口さんは以前からお酒に溺れるようなところがあったと聞きますし、16年には離婚を経ています。TOKIOが20年を迎えた頃から、山口さん自身もさまざまな問題を抱え、それが犯罪という最悪の形で出てしまったのかもしれません。あの事件は起きるべくして事件だったようにも感じます。
一方でV6は、CDリリースは続いているものの、すでに個々の活動がメインとなっています。少年隊と同じような形で、うまくグループ活動をフェードアウトに持っていく、いい例だと思いますね。なお、2人組のKinKi Kidsに関しては、グループではなく“コンビ”なので、また話が違ってくるんです。2人だと相対で相談でき、意思の統一がしやすいものですが、3人以上のグループになるとそれがなかなか難しくなります。アイドルグループのピークアウトは「15年」という定義は、あくまで3人以上のグループに当てはまると考えています。
取材協力:大関暁夫(おおぜき・あけお)
All About「組織マネジメント」ガイド。東北大学卒。横浜銀行入行後、支店長として数多くの企業の組織活動のアドバイザリーを務めるとともに、本部勤務時代には経営企画部門、マーケティング部門を歴任し自社の組織運営にも腕をふるった。独立後は、企業コンサルタントの傍ら上場企業役員として企業運営に携わる。