カルチャー
梅野智恵子・野々市市議会議員インタビュー
森喜朗氏の地元・石川県で「自民党を除名された」女性議員に聞く、女性が“排除される”地方社会
2021/03/08 14:00
「このままではつぶされる」と感じた梅野市議は、19年12月に「野々市フォーラム」を離脱。一人会派「みのりの会」を立ち上げるが、引き続き自民党野々市支部には所属して活動することにした。
一人会派では野々市フォーラムの視察や勉強会に参加できず、会派室も異なるため、ほかの自民党系議員との情報共有もままならない。しかし、それでも梅野市議への排除がやむことはなかった。
「地元国会議員から直接声をかけていただき、東京で官僚の方に講習を受けるため視察に行ったのですが、野々市フォーラムの議員の方々が『一人会派なのに』と国会議員に直接抗議したそうです」
野々市フォーラムを抜けた翌年の3月、梅野市議は選択的夫婦別姓に賛同。そして3カ月後に、除名の発議がされた自民党野々市支部の総務会が実施される。除名処分は突然のことだった。
「6月に開かれた総務会の最後に、いきなり発議されたのは『梅野議員の処分を求める』。議長がすぐに受理されました。根回しはできていたみたいです。私はいったん退席させられました。ほかの地区代表の自民党議員も女性部長も、党員も、議長以外全会一致の除名ということになったらしく、『処分が決まりましたので』ということで入室許可が下りて議場に入った途端、『以上』で終わりました」
梅野市議は後になって、総務会を退席している間に、自分が起こしたことになっている真偽不明の問題行動についての資料が配られていたことを知った。資料は自民党県連にまで配布されており、自民党野々市支部のやりすぎを指摘する声もあったが、県連に支部の決定を覆す権限はないため、そのまま除名となった。