カルチャー
梅野智恵子・野々市市議会議員インタビュー
森喜朗氏の地元・石川県で「自民党を除名された」女性議員に聞く、女性が“排除される”地方社会
2021/03/08 14:00
地方議会の選挙では町内会や校区を地盤とし、地盤の推薦を得て立候補することが多い。長年、国会・県議会・市町村議会の自民党議員のウグイス嬢を経験していた梅野市議は、自民党野々市支部とも関わりがあったが、無所属・公認なしで出馬(野々市市では自民党系の議員は無所属・公認なしでの立候補は一般的)。
「野々市市には町会(町内会)代表の議員として出馬するという暗黙のルールがあります。でも、すでに2人現職がいたので、自分が住む町会からは推薦されませんでした」
町会の推薦や組織団体、党からの応援も得られない中、梅野市議はいわゆる「ドブ板選挙」と呼ばれるような選挙運動を展開した。
「私は当選するために垣根を越えて野々市市をフルで歩きました。地図を見て、一軒一軒回ってピンポン押して、『立候補させていただきます、梅野と申します』と挨拶しました」
町会の推薦を得ていない場合でも、同じ自民党系の議員が立候補している町会を避け、空白地帯で選挙運動をするという不文律があるようだ。
「長くウグイス嬢をやっていたので、選挙のノウハウはある。街頭演説は自分でできる。だから、協力してくれた少数の仲間たちで選挙を戦うことができたんです。おかげさまで初当選させていただくことができました」
梅野市議は定員15人中6位の当選。新人では最も高い得票数となった。無所属・公認なしでの出馬だったが、当選後は自民党系の会派に入った。