カルチャー
居住支援法人LANSインタビュー

コロナ禍で増加、「真面目に働いていても生活が困窮する人」の特徴――居住支援から見えた実態

2021/03/14 17:00
坂口鈴香(ライター)

 コロナ禍で生活に困窮する人が増えている。茨城県つくば市では、居住支援法人「LANS(ランズ=ライフ・アシスト・ネットワーク・サービス)」が、茨城県から委託を受けて生活支援事業を行っている。

 コロナ禍により仕事がなくなるなどして、住まいを失った人や失いそうな人からの相談を受け、LANSが用意したシェアハウスなどの住まいを確保するとともに、仕事探しの支援もしている。住居を失う事情はさまざまだが、生活が立ち行かなくなる人には特徴があるという。LANSの代表、浅井和幸さんに話を聞いた。

gettyimagesより

高齢者やネットカフェ難民、母子家庭などに住まいを紹介

 LANSのスタートは2018年。コロナ禍の前から高齢者やネットカフェ難民、母子家庭、DV被害者など、住宅のない人や住宅を失いそうな人に住まいを紹介したり、LANSが管理している住まいを貸したりするほか、生活の支援、必要に応じて介護や医療、行政につなぐこともしています。現在は女性専用のシェアハウスも確保し、緊急の住まいや一時的な避難所などとして運営しています。

 私はカウンセラー・精神保健福祉士として、引きこもりの若者の自立支援や、東京・歌舞伎町の「日本駆け込み寺」で支援活動などをしてきました。高齢者や障がいがある方を積極的に受け入れる福祉アパートを運営している鈴木一也さんと田村佳子県議と、福祉の事例勉強会で出会い、3人で始めたのがLANSです。茨城県で「居住支援法人」の指定を受けたのは、LANSが第1号でした。住まいに焦点を当てて活動するという発想自体がなく、画期的な法人だったと思います。うれしいことではありませんが、時代が追い付いてきたとも言えます。

真面目に働いていても生活が困窮する人たち

 仕事も住まいもなくすというと、本人の努力が足りないんじゃないかと思う方もいると思いますが、決してそうではありません。私たちがこれまで支援した人でも、真面目に仕事をしてきたという人はたくさんいらっしゃいます。

 女性専用のシェアハウスに入居している40代の女性は、就職氷河期世代で派遣社員として仕事をしてきました。離婚し実家に戻ったのですが、家族との折り合いが悪くなってウイークリーマンションで暮らすことに。ところがコロナ禍で仕事が減り、ウイークリーマンションの家賃が払えなくなって、ネットカフェで寝泊まりをするようになったところ、とうとう所持金が底をついて、市役所の紹介で私たちのところに来てくれました。

 またアルバイトで生計を立てていた30代の男性は、手に職をつけるために職人として修業を始めようとしたところ、その親方がコロナ禍で行方不明になってしまったそうです。ネットニュースで私たちの活動を知って連絡をくれて、「電話がつながらなかったら死のうと思っていました」と話してくれました。この方は私たちの支援で、今は正社員として働いています。

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