コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

弘中綾香アナは「義理チョコ廃止」実現できない!? 敬意を払われたい男の存在と、女子アナという仕事

2021/02/18 21:00
仁科友里(ライター)

 番組名は失念したが、カトパンこと元フジテレビ・加藤綾子アナの全盛期に、後輩の女子アナが“加藤の仕事術のすごさ”を検証する番組を見たことがある。ポジションの高くない男性スタッフからデートに誘われたカトパンは、どう対応するかを隠し撮りするという内容だった。スタッフはしつこく迫るが、カトパンは連絡先を教えないし、デートにも応じない。常に笑顔で「携帯が手元にないから、スケジュールがわからない」と優しく断っていた。その理由を、カトパンは「男性のプライドを傷つけないため」と説明し、後輩もその対応を絶賛していた。

 テレビの世界におけるスタッフと女子アナの原則的な上下関係というものが私にはわからないが、「スタッフに嫌われない対応」はカトパンの個人的な仕事術というより「女子アナとしてのお仕事」という側面もあるのではないだろうか。

 アナウンサーとランキングといえば、毎年12月のオリコン社主催「好きなアナウンサーランキング」が有名だが、「フラッシュ」(光文社)は「業界人が選ぶ『好きな女子アナ・嫌いな女子アナ』」という企画をちょくちょく行っている。これはスタッフなどの“身内”が選ぶランキングで、女子アナはスタッフにもある程度サービスして好かれておかないと「性格が悪い」と、こうした企画にタレこまれないとも限らない。特に注意すべきは、カトパンのように人気女子アナではないだろうか。視聴者からの人気が高くても、スタッフから支持されなければ「裏表がある」といわれかねないからだ。

 弘中アナも、オリコン社主催の「第17回 好きな女性アナウンサーランキング」で前年に引き続いて、2年連続首位を獲得した人気アナである。カトパンと同じく、スタッフにも気を配らないといけない立場だろう。ほかの女子アナが義理チョコを配っているとして、弘中アナだけそれをしなかったら「スタッフを軽んじている」と言われかねない。そう考えたら、費用負担が大きくても、たいして喜ばれなくても、お返しがなくても、義理チョコをやらないわけにいかないのではないか。

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