K-POP 2020年下半期ベスト15曲! SM・JYP・Big Hitエンタのほか、所属アーティスト1組の事務所もランクイン
――毎月リリースされるK-POPの楽曲。それらを楽しみ尽くす“視点”を、さまざまなジャンルのDJを経て現在はK-POPのクラブイベントを主宰するe_e_li_c_a氏がレクチャー。今回は2020年下半期に発表された楽曲を振り返ります!
今月は2020年下半期(7月~12月)のリリースから私の好みの15曲をピックアップして紹介します。特に順位はなく、7月からリリース順に挙げています。上半期についてはこちらを参照ください。
레드벨벳 – 아이린&슬기 (Red Velvet – IRENE & SEULGI) – 놀이 (Naughty) (2020.07.06)
SM Entertainment所属Red Velvetの年上メンバー2人、アイリーンとスルギによるユニット曲です。先にタイトル曲である「Monster」で音楽番組等出演し、「Naughty」は後続曲という扱いです。
メンバーのウェンディが昨年末の事故によりしばらく活動できなくなってしまった状態で、昔のSMならしれっと4人で活動させていた気もしますが、この2人でユニットをできたことでさらにRed Velvetというグループに奥行きが出たと思います。やはりSMはこういう曲をやらせるとうまいな、と思うのと本人たちの雰囲気に合ったFuture HouseとDeep Houseの良いところ取りのようなハネた曲にヴォーギングをあわせているのも最高です。
여자친구 (GFRIEND) – Apple (2020.07.13)
SOURCE MUSIC所属、6人組グループヨジャチングの9枚目EP『回:Song of the Sirens』のタイトル曲です。SOURCE MUSICは2019年にBTSの所属するBig Hit Entertainmentに吸収され、現在はBig Hitの子会社という立ち位置です。ガールクラッシュに食傷気味になっていたところに、ガツガツした感じでもニュートロでもない、妖艶に真正面から攻めて来たのが個人的にとてもハマりました。
ヨジャチングは学校コンセプトでデビューし、いわゆる清純派として大ヒットし、段々と大人っぽい方向にシフトしてきました。K-Popアイドルは年齢を重ねるとコンセプトも段々と大人っぽくなっていくのが一般的ですが、Big Hitに吸収されていなくても今回の「Apple」のようなクオリティのコンセプト、楽曲が出てきたのかは少し気になります。例によってKBSの年末歌謡祭でのステージが(メンバー1人不在ですが)最高なのでよかったら見てみてください。
한승우 (HAN SEUNG WOO) – 답장해 (Reply) (2020.8.10)
Play M Entertainment所属、7人組グループVICTON(ビクトン)のリーダー、ハンスンウのソロ・デビューEPから、サブタイトル曲(※)的な立ち位置の曲です。
「Reply」はVICTONの初期を感じさせるようなハネた、少しポップな雰囲気がありつつ、彼の少し独特で気持ちの良い高音を生かした楽曲です。EPの『Fame』もアルバムとしてのクオリティが高く、4曲目の「원해(I Just Want Love)」とどちらを選ぶかとても悩みました。VICTONはやはりラップといえばハンセというイメージですが、『Fame』ではオールラウンダーなハンスンウが見られ、上半期に挙げた、同じく『Produce』シリーズに出演していたハソンウン・チョスンヨンと共に、グループとして活動しているだけでは見られない新たな一面が発見できた良いソロデビューだったと思います。
上半期に挙げたApinkも同じPlay M所属ですが、Play Mはこういう“良い曲”に強いイメージがあります。
※タイトル曲は1カ月前後の活動期間中に音楽番組などで披露する曲ですが、アーティストによっては初週に音楽番組でタイトル曲と一緒に披露する、1分半~2分程度に短く編集した曲があり、それを私が勝手に「サブタイトル曲」としています。後続曲とはまた違うものです。
루시 (LUCY) – 수박깨러가 (Watermelon) (2020.8.13)
Mystic Story所属、4人組グループLUCYのEP『PANORAMA』のアルバム収録曲です。英語のタイトルは「Watermelon」となっていますが、ハングルの「수박깨러가」は「スイカ割りに行こう」という意味で、夏の情景を描いた真夏のリリースにぴったりの楽曲です。
LUCYは9月の記事で紹介済みですが、「PANORAMA」に収録されている曲がどれもとても良く、1曲を選ぶのが大変でした。アルバムコメンタリーの冒頭で、EPの楽曲が「Jogging」の朝から「Flare」の夜のお祭りの雰囲気まで時間順に並んでいると説明していて、夏の1日の朝から晩までを感じて楽しめるEPになっています。
サビ後に聞こえる水に潜るような音と、スティールパンのようなシンセ、リワインドの音が中毒的でとても好きです。コメンタリーでウォンサンが「ぶくぶくという音と一緒に水に潜って、出てくるとグァンイルのパートが始まる」と言っていますが、確かにこのサビの後の音は少しフィルターがかかっているようなはっきりとしない音になっていて、それがうまく水の中いることを表しているなと感じました。
에이스 (A.C.E) – 황홀경 (Baby Tonight) (2020.09.02)
BEAT INTERACTIVE所属、5人組グループA.C.E(エイス)の3枚目EP『胡蝶之夢(HJZM : The Butterfly Phantasy)』のアルバム収録曲で、後続曲でもあります。タイトルの「황홀경」(ハンホルギョン)は漢字で書くとそのまま「恍惚境」(こうこつきょう)となります。
2020年は恍惚境の年。私がようやくA.C.Eの良さに気付けた1年でもありました。11月の記事ですでに紹介しているため言うことはあまりありません……。ダンス付きで披露する音楽番組などのステージは、動画が残るのでうれしくはあるのですが、曲全てが好きすぎて真剣に歌って欲しいので、あまり踊ってほしくないという矛盾があり、いつも心で戦っています。
年上メンバー2人の兵役が迫っているため、あまり時間が残っていませんが、せめてあと1回カムバして……と思う日々です。
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