コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

ゆきぽよ、詐欺逮捕の知人男性になぜ合いカギ渡した? 芸能人は「近い人こそ要注意」と思うワケ

2021/01/28 21:00
仁科友里(ライター)

 しつこく付きまとわれていたとしても、先輩の紹介でも、断りたければ断れるはずだし、今の芸能界で、反社会的なイメージを与える男性と親しくすることがどんなに危険なことか、ゆきぽよはわからないわけではないと思う。だからこそ、何かふかーいワケがあるのではないかと邪推してしまうのだ。

 08年に亡くなったタレントの飯島愛さんをご記憶だろうか。飯島さんはAV女優を経て、タレントに転向した。深夜番組のお色気要員のような時期もあったが、頭の回転の速さと飲み込みの良さを島田紳助さんらに認められ、トーク番組に欠かせない人気タレントに成長。しかし、理由がはっきりしないまま、飯島さんは芸能界を引退。自宅マンションで亡くなっているのが発見された。

 飯島さんの生前に出版された、彼女の親友を自称する女性が書いた本を読んだことがある。それによると、飯島さんは芸能界入りする前の知り合いから、しつこくゆすられたり、カネを貸せと迫られていたという。

 飯島さんが芸能界入りしてからも交際は続いていたということは、親友の女性は、飯島さんにとって心許せる存在だったのだろう。知られざる飯島さんの一面や友情秘話が語られるかと思ったが、そればかりではなかった。これは私の主観でしかないが、親友は飯島さんを妹のように慈しみながらも、多少は嫉妬しているように感じられた。自分の近しい人の成功だからこそ、まばゆすぎる。傷や恥を含めたプライバシーを分かち合っているだけに、余計に「友達はうまくやった」と感じられて、その成功がよけいに妬ましく感じる。それも友情の一側面ではないかと思う。

 また先日、脱税に関する本を読んでいたところ、税務署に「あの人は脱税をしている」とタレコミの電話をかけてくるのは身内が多いと書かれていた。遺産相続で不平等があって不満を持ったりすることがきっかけになるらしい。この傾向は外国でも同じようで、東ドイツの秘密警察シュタージへの密告は身内によるものが一番多かったそうだ。

 ゆきぽよは大丈夫だと思うが、このように「近い人にこそ要注意」というのは大いなる真実ではないだろうか。今はスマホの普及で、無駄に写真を撮る時代だから、イメージ低下につながるような画像が出回る可能性は高い。そこでウソをついたり、相手を丸め込もうとすると話はややこしくなる。そんなときはまず専門家に相談! というのが、私の老婆心だ。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2021/01/28 21:00
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