秋田県でおなじみの味「しょっつる」とは!? おにぎりや鍋にも使える、うま味の調味料
――地元で愛され続ける、家庭料理の味。北海道から沖縄までそれぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな商品を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
秋田県民の味「しょっつる」
秋田県のソウルフード「しょっつる」は日本の三大魚醤の一つです。魚醤というとエスニックを連想される方も多いと思いますが、魚醤も醤油も、原料が魚か穀物の違いによるもので、同じ醤(ジャン)の仲間。「しょっつる」は、秋から冬にかけて旬を迎える魚「ハタハタ」に、天日塩をまぶし漬け込んで作られます。
「十年しょっつる熟仙」は通常3年の3倍以上、10年もの長い間、蔵の中でゆっくりと、じっくりと、自然発酵により熟成されます。この間、仕込み樽に空気を入れたり、温度管理や発酵環境に注意を払い、衛生管理も欠かせません。こうして手間暇かけて出来上がった原液に、何も一切加えない、加熱もしない……、天然の旨味成分が詰まった琥珀色の液体になります。おしゃれな瓶に詰められた後、一本一本、手書きでシリアルナンバーが記されているのも大切に作られてきた証しでしょう。
「十年しょっつる熟仙」は、醤油や塩のように使いましょう。熟成されている分、一般の醤油より味は濃い目、塩分も多めなので、少量ずつ使うのがポイント。うま味は醤油より2倍あるともいわれています。上品な味わい、香りが穏やかな白身魚のハタハタで作るしょっつるは、魚醤特有の臭いもほとんど気になりません。甘味とコク、うま味の宝庫です。
「しょっつる」アレンジレシピ:切り干し大根と鶏ひき肉の卵焼き
【材 料】(2人分)
(A)・鶏ひきむね肉 100g
・10年しょっつる熟仙 小さじ2
(B)・切り干し大根 10g
・卵 3個
・ごま油 大さじ1
・万能ねぎ 1本
【作り方】
1)フライパンに(A)を加えて、弱中火で乾煎りする。
2)ボウルに(B)と1.を加えて混ぜ合わる。
3)フライパンにごま油を加えて、2.を流し入れ、大きく2~3回混ぜる。底に焼き色がつけば裏返し、さらに30秒ほど焼いて火を止める。
4)器に盛り、小口切りにした万能ねぎをちらす。
*お好みで、一味唐辛子などをかけてもおいしい。
鍋に使えば、出汁いらず!
手水や塩の代わりに、しょっつるを少しだけ手につけて、ご飯を握れば、おにぎりに。肉や野菜を炒める時に、味付けはしょっつるだけでOK。肉や魚を焼くときにはしょっつるを表面にサッと塗って焼いたり。水の中にしょっつるを加えて、お好きな肉や魚、野菜を加えて鍋の味付けやスープに、出汁いらず(水2カップにしょっつるを大さじ1強くらい)!
手間暇かけずにお家ごはんがおいしくでき上がるのはうれしいですね。これ1本あれば、あなたも料理上手に♪