“アニメよりアプリゲームのほうが高い”声優ギャラ事情――「高級車を現金で一括購入する若手はザラ」との証言も
劇場アニメの大ヒットを受けて、『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)でメインキャラクターを演じている花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞ら人気声優たちのテレビ出演が相次いでいる。
そんな彼らがそろって出演した、昨年11月29日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)では、松岡が「今だとアプリゲームとかが増えて。しかもアプリゲームって単価が高いんです」と暴露。下野も「今の若い子たちって恵まれてるなって思う。売れ出すと急に車に乗り出す」と語り、ネット上で話題となった。また、同年12月28日放送の『しゃべくり007年末SP』(日本テレビ系)に出演した花江も、「(一番ギャラがいいのは)ゲームです」と明かしている。
アニメとアプリゲームでは、ギャラの相場にいったい、どれだけの差があるのだろうか。
「アニメ出演のギャラは、『日本俳優連合』が定める“ランク制度”によって決められていて、キャリアを重ねていくたびにランクを上げることができます。花江はまだ29歳と若手ですが、キャリアは十分にあるためランクアップは可能。しかし、番組では“最低ランク”であることを明かしています。本人は、『まだ、アニメでいっぱい名前を知ってもらうのが大事なことだと思うんで』と、まずは認知度を上げていきたいと語っていましたが、本音は『コスパが良い』声優として人気アニメに出演し続けたいからでしょう。そうすることで自身の付加価値が上がり、アニメの収入よりもより実入りの良い関連イベントにも出演できますから。花江のように、若手声優はアニメ以外で稼ぐ方法をよく知っているので、ランクを上げない人も多いんです」(声優業界関係者)
一方で、アプリゲームはアニメと比較にならないほど、「ギャラが良い」のだという。
「アニメの場合、どれだけセリフをしゃべってもギャラは一律(自分のランク×話数分)ですが、アプリゲームの場合は、セリフ量で換算されるため、ゲーム1本の出演だけでも100万単位のギャラになることは少なくありません。先月までアルバイトと声優業を掛け持ちしていた人が、急にアルバイトを辞めて都心に引っ越した……なんていうちょっとしたシンデレラストーリーは『よくある話』です」(同)
男性向けや女性向け、皆が楽しめるものまで、さまざまなアプリゲームが誕生している昨今、ゲームへの出演で生活が変わり、急に羽振りが良くなる若手声優は、男女問わず多いという。
「あえて名前は出しませんが、特にビッグタイトルに出演している声優は『ほぼ全員』が当てはまるでしょうね。海外旅行で飛行機のファーストクラスを利用したり、高級車を現金で一括購入したりという若手声優はザラにいますよ。仲間たちが調子に乗っている中で、コツコツと真面目に貯金をしている子も若干名いますが、まず稀ですね。今の収入が一過性のものだと気付いている賢い若手は、今後も生き残っていけると思いますよ」(同)
今や「声優バブル」が到来したと言ってもおかしくない状況だけに、アプリゲームの恩恵も多大なようだ。この状況が果たして、いつまで続くのか? その先を見越している声優はどれほどいるのだろうか。