コラム
老いゆく親と、どう向き合う?
「はあ、何? この状況!?」衝撃的すぎた介護ホーム担当医の発言、 60代父の施設選びで直面した現実
2021/01/10 18:00
「先生は私に電話をかけているとは思っていないようで、奥さんらしい人との会話が聞こえてきたんです。その内容が、私と父のことのようでした。『介護が必要な人は60代後半の大柄な男性で、要介護2はホームから一番嫌がられるパターンだ。ほかの施設では受け入れてもらえないだろうし、受け入れてもらえても、施設ショッピングになってしまう。娘は父親が嫌がられていることも、施設ショッピングをしていることもわかっていない。今のホームの対応もどうかとは思うが、娘も施設を信用していない』と……。はあ、何? この状況!? ですよね。もし先生が意図して私に電話をかけて、この会話を聞かせていたとしたら、それはそれでびっくりですけどね」
まったく。安物のドラマを見ているような展開だ。しばらくこの会話を聞いたあと、中村さんは徒労感に襲われて電話を切った。
あるホームの入居相談員がこうこぼしているのを聞いたことがある。「100点の施設などないのに、気に入らないとまるで服を買い替えるように施設を変える人がいる」と。
そのときは、お金を持っている高齢者の贅沢な話だと思ったが、中村さんや緒方さんの話を聞いたあとでは一概に施設を移ることが悪とは言えないと思える。誰も好き好んで施設を移りたくはないのだから。
中村さんと父親の安住の場所が見つかることを心から願う。
最終更新:2021/01/10 18:00