田中圭&武田玲奈出演「ボートレース」、カネボウ、ナイキ……2020年物議を醸したCM
昨年12月2日、ニホンモニター株式会社が「2020タレントCM起用社数ランキング」を発表。男性タレントでは19社に出演した嵐・櫻井翔が、女性タレントでは14社に出演した女優・今田美桜と広瀬すずがそれぞれトップに輝いた。タレントや企業の“イメージ”と結びつきやすいCMだが、2020年に公開され、ネットで炎上した作品も少なくない。
「中でも批判を浴びたのは、『BOAT RACE振興会』のCMでしょう。俳優の田中圭、女優の武田玲奈らがボートレーサー役を演じており、20年6月下旬からは『ハートも骨抜き』編を放送。レース前に武田が『先輩、次のレース、抜きますよ』と宣言し、田中が『ぬ、抜けるもんなら抜いてみろよ!』と豪語したものの、結果は武田が田中を華麗に抜き去って勝利する……といった内容です。武田はレース後、ユニフォームを脱いで水着姿になりつつ『抜い、ちゃっ、た』とささやき、田中が“骨抜き”にされるというオチでした」(芸能ライター)
このCMに対し、ネット上では「わざとエロい感じを狙ってるよね? 気持ち悪いな……」「お茶の間が気まずい雰囲気になるから、CM流す時間を考えてほしい」といった批判が続出。一方で、「普通に見れば意味わかるでしょ?」「これで文句言われるの? ちょっと考えすぎでは?」などと疑問の声も上がり、“アウトかセーフか”の論争が巻き起こることとなった。
また、女性向けの商品であるにもかかわらず、「女性差別ではないか?」と指摘されたCMもある。
「7月に放送された大手化粧品メーカー・カネボウが展開するブランド『KANEBO』のCMです。この中では、世界各地の人たちが化粧をする様子が映し出され、『“化粧なんて、なんのためにするのだろう”と言う人がいる。化粧で喉は潤せないし、おなかだって満たせない。それでも、私たちは化粧をする』というナレーションが流れた後、『生きるために、化粧をする。』という文字が画面いっぱいに登場。ネット上では、『自分らしく生きるというメッセージが伝わる』と評価する声も少なくありませんでしたが、『女性に化粧を強制しないで!』『女は化粧しないと生きていけないってこと?』などと批判が噴出。“#kaneboの新CMに抗議します”というハッシュタグまで生まれSNS上でデモが行われるなど、大きな騒動になりました」(同)
また、世界的な企業のCMも、こうした差別にまつわる問題で物議を醸していた。
「スポーツ用品メーカーのナイキジャパンは、11月下旬に公式Twitter上でCMを公開。出自の違いによって、日本の学校やネット上で差別を受け苦しむ3人の少女が登場し、スポーツを通じてそれらの悩みから解放される……といったストーリーの動画でした。これについてはネット上で、『信じられないぐらいすごいCM。さすがナイキ』『数分間の動画で泣いたのは初めて。感動しました』といった絶賛の声がある一方で、『日本人が差別的だと言いたいの?』『ナイキが日本人を差別してるじゃん』といった批判もあり、賛否両論。多くの著名人もSNSで取り上げるなど、社会的な話題となりました」(同)
数秒もしくは数分で、人々の心に強い印象を与えられるかどうかが勝負のCM。今年は“いい意味”で記憶に残るような作品であふれてほしいものだ。