『世界の果てまでイッテQ!』“バイトの学芸員”を笑いものに!? 「深刻な問題」「バカにしてる」と批判
12月6日に放送された人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)。この放送の中で、とある“社会問題”が取り上げられたとして、ネット上で話題を集めている。
お笑いコンビ・ANZEN漫才のみやぞんが、番組の設定した目標を達成するまで“現地から帰れない”という人気コーナー「世界の果てまでイッタっきり」。今回は、佐賀県の有明海で、高度なテクニックを必要とする伝統漁法・むつかけ漁でムツゴロウを捕まえるまで帰れない、といった内容だった。
「みやぞんは、むつかけ漁の練習をしつつ、“社会科見学”として同県にある吉野ケ里遺跡を訪れました。ここでは、弥生時代の貫頭衣を着込んだ学芸員がみやぞんを案内し、2人で古代米を炊いてみる流れに。そんな中、みやぞんが学芸員に『先生は社員なんですか?』と質問したところ、『アルバイトなんです』との返答が。『バイトですか!?』と驚いたみやぞんに対して、学芸員は『今月、別の仕事で頑張ってるから、もう仕事したくなくて……』と、愚痴を漏らしていました」(芸能ライター)
定時が午後5時だということから、みやぞんは「申し訳ない。絶対今日、5時に上がりましょう」と気遣っていたが、学芸員は「(アルバイトだと言うと)あとで“偉い人”に怒られる。『余計なこと言うなよ』と」と言い、撮影を見守る正社員を一瞥。みやぞんは、「正直、弥生感がなくなりました」と苦笑し、スタジオでも笑いが起こっていた。
「高度な専門知識を必要とする学芸員が、“アルバイト”だという事実にショックを受けた人は少なくないようで、ネット上では『学芸員の闇を見てしまった……』『つらい立場が垣間見えて、悲しくなってきた』など、待遇に疑問を持つ声が続出しました。また、『笑い話みたいに見せるのはどうなの?』『普通に笑えない……深刻な社会問題でしょ』『学芸員の方をバカにしてる感じ。こういう取り上げ方はよくない』などと、“面白エピソード”の一つとして紹介した番組を批判するネットユーザーも少なくありません」(同)
同番組では、こうした“一般人イジり”で多くの批判を集めた過去がある。
「昨年11月、タレントの金子貴俊がタンザニアを訪れるという企画の中で、彼のマネジャーである女性を『45歳独身』『お料理合コンに通い続けて2年』などと紹介し、未婚であることをバカにするようなナレーションとテロップが流れたんです。ネット上では『マネジャーといっても一般人なのに。「イッテQ!」の感覚は狂ってる』『これで視聴者が喜ぶって、本気で思ってんのか?』といった批判が続出。また、『テレビが“独身イジり”を率先してやるから、いつまでたっても世の中が変わらないんだよ』『今の時代、独身の人は珍しくない。メディアの影響力を真剣に考えたほうがいい』などの苦言も寄せられていました」(同)
一方で、「人気番組で面白おかしく取り上げられたことを機に、現状が少しでもよくなればいいな」といった期待の声も。『イッテQ!』によって起こった議論をきっかけに、世間の認識は変わろうだろうか……。