『鬼滅の刃』『極主夫道』『らーめん才遊記』『おじさまと猫』……“設定変更”が物議を醸した実写化
12月4~6日にオンラインで開催されたポップカルチャーイベント『東京コミコン2020』。これに先立ち、合同取材会が同1日に行われ、アンバサダーを務める歌舞伎役者の市川海老蔵が出席したのだが、彼のある発言がネット上で話題になっているという。
「海老蔵は、一部の週刊誌で報じられた人気漫画『鬼滅の刃』(集英社)の“歌舞伎化”について記者に聞かれ、『具体的に話が進んでいるわけではない』としつつも、『いつかは歌舞伎界の誰かが、私ではなくてもいいと思いますが、「鬼滅の刃」ができたらないいんじゃないのか? 程度には思っています』と発言。もし実現した場合、自身は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の重要キャラクターである煉獄杏寿郎や、鬼舞辻無惨を演じてみたいとも明かしていました」(芸能ライター)
この件について、ネット上では「『鬼滅』が歌舞伎になったら面白そう!」「実現したら見に行きたい」といった声があるものの、「隈取をする『鬼滅』って想像つかない……」「世界観がめちゃくちゃになるからやめて」などと、否定的な声も少なくない。もし実現した場合は、キャラクターの見た目や口調など、原作にはない要素が足される可能性は高いだろう。それは歌舞伎に限った話ではなく、テレビドラマでの“実写化”については、設定を変更して物議を醸した作品が少なくない。
「最近、最も話題になったものでいえば、10月から日本テレビ系で放送中のドラマ『極主夫道』でしょう。この作品は、“伝説の極道”であった男・龍(玉木宏)が、妻と結婚したのをきっかけに専業主夫に転身する……といった内容で、同名漫画(新潮社)を原作としています。しかし、ドラマは原作には存在しない“夫婦の娘”が登場しており、これが放送前から『設定がおかしくなってる』『漫画と全然違う。原作じゃなくてもはや“原案”』などと批判を浴び、炎上する事態となりました」(同)
その後、娘は妻の連れ子という設定が明らかになったものの、現在も「原作とは別物」といった声は根強く、賛否を集めている。ほかにも、主人公の性別を変えるという大胆な設定変更で、話題を集めたドラマもある。
「今年4月期にテレビ東京で放送されたドラマ『行列の女神 ~らーめん才遊記~』は、ラーメン店のコンサルティングをテーマとした漫画『らーめん才遊記』(小学館)が原作。しかし、原作の中心人物である芹沢達也が、ドラマでは“芹沢達美”として女性に変わり、鈴木京香が演じたんです。放送が発表された際には、ネット上で『芹沢が女体化するの!?』『さすがに設定をいじりすぎでは……?』などと原作ファンが困惑し、Twitterで関連ワードがトレンド1位を獲得するほどの話題となりました」(同)
また、これから放送予定のドラマについても、同様の声が上がっているようで……。
「テレビ東京で来年1月から放送される『おじさまと猫』について、原作ファンから早くも悲鳴が上がっています。かつて世界的なピアニストであったものの、妻に先立たれて活動を休止した男・神田冬樹(草刈正雄)が、ペットショップで売れ残っていた猫・ふくまるを自宅に迎え、共に過ごす日々を描いたハートフルストーリー。同名漫画(スクウェア・エニックス)が原作で、ふくまるはいわゆる“ブサかわ”な見た目をした猫なのですが、ドラマではなんと、猫のぬいぐるみに変身。ネット上では、『ふくまるに似てなくてもいいから、本物の猫にしてほしかった』『ぬいぐるみじゃ、感情移入できない気がする……』といった疑問の声が多く上がり、早くも不安を感じさせています」(同)
原作を忠実に再現するだけが“実写化”ではなく、オリジナル要素が加わるのも魅力の一つ。とはいえ、そのさじ加減を間違うと、原作ファンをがっかりさせてしまうようだ。