金子恵美の「恵まれてる自慢」「シングルマザーへの言及」にイライラ! 『許すチカラ』を“許せなかった”既婚女性3人の主張【既婚・未婚座談会】
元衆議院議員で、現在はコメンテーターとして活動する金子恵美が、著書『許すチカラ』(集英社)を上梓。夫・元衆議院議員の宮崎謙介の不倫を「許せた理由」について書かれた本書だが、夫を持つ妻の目線からは、どのように映っているのだろうか? 金子の“指南”に疑問を持つという3名の女性(A:バツイチ&子あり、B:未婚&子あり、C:既婚&子なし)に、語り合ってもらった。
(前編:妊娠中に夫が不倫……妻はどうする? 金子恵美『許すチカラ』から考える、「許す・許さない」の境界線)
許せずに「怒る」ことは間違っているのか?
――3人とも、「許せないことがあってもいい」というスタンスだと前編でわかりました。しかし、『許すチカラ』をはじめ、最近は「許したほうがいい」といった論調の指南書が増えています。例えば、9月発売の『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』(杉山崇著、あさ出版)では、人間関係を円滑にするために「許す(わかり合う)」ことを勧めていますし、1月には『人は、なぜ他人を許せないのか?』(中野信子著、アスコム)という、ネット炎上を主に分析する本が出ています。
C ネット炎上だと、確かに「そんなに怒る?」って人もいますし、中野さんの本では、「他人を叩くことが快楽になる」といったことも書かれているので、そこまでいくとさすがにやりすぎだなと思います。でも、それくらい怒るのは、その人にとって本当に「許せないこと」なのかもしれないという可能性も、忘れちゃいけないような。それに、「本当にダメなこと」「怒られてしかるべきこと」は、許しちゃいけないですよね? 「相手を許せば幸せになれる」という金子の主張は、ちょっと楽観的すぎだと感じます。
B 『許すチカラ』で金子は、不倫が発覚した当時、宮崎が世間に叩かれたことについて「社会が不寛容」だったと主張していますよね。それはさすがに、「話を広げすぎだろ!」と思いました。宮崎は芸能人ではなく国会議員という立場だったので、「育休宣言しておいて何やっているんだ?」「我々の税金で不倫するなんて許せない!」と怒る人は、当たり前にいますよ。「妻の私が夫を許せました」と「国民が政治家を許せました」は全く別の話だし、支持率が下がっても、選挙に落選しても仕方がない。誹謗中傷は絶対によくないけど、批判は受けてしかるべきですよね。
A 日常生活でも、「まあまあ、そう怒るなよ」「カリカリすんなよ」「スルーしろよ」という流れになること、あるなあ……。でも、怒ったっていいじゃないですか? 不条理に対して「ふざけるな!」と怒るのは、まっとうなことですよね。
C どうでもいいことに怒ってばかりはよくないけど、どうでもよくないから許せないのであって、だったら怒っているほうが健全な気がします。許せないことに罪悪感を持つ必要はないですよね。犯罪まがいの復讐を企てるとか、怒りすぎて仕事に手がつかないとなると、話は別ですけど。
B 金子も本の後半で、「誹謗中傷をなくすことがなによりも大切ですが、それに負けないような、またスルーできるような自分の確固たる価値観を養う教育をしていくことも……」って書いてるんですよね。「スルーできるような教育」って、何?(笑)
C 「自分の価値観がちゃんとあれば、批判や誹謗中傷をされてもスルーできるようになるよ」ってことですかね? いやいや、誹謗中傷は法的手段を使って訴えたほうがいいし、間違ったことを指摘してるのにスルーされたら、普通に困りますよね。それがいじめやハラスメントだった場合、しっかり相手を怒らないと、負の連鎖が後の世代にも続くじゃないですか。スルーし続けるとか、許し続けるほうが、不幸になる可能性もありそうですけど……。