万引きGメン、オンナ詐欺師に初遭遇! ポテサラの「半額シール付きふた」を悪用、その “図々しい手口”とは?
こんにちは、保安員の澄江です。
先月、岡山県倉敷市内のリサイクルショップで、掃除機など2点(7万1,280円相当)の商品についた値札を、店内で入手した別の安価な商品の値札と貼り替えて購入して騙し取ったとして、古物商の男と従業員の男2人が、岡山県警に詐欺の容疑で逮捕されました。この3人組、どうやら各地で犯行を繰り返していたらしく、別の詐欺未遂事件でも再逮捕されています。高額品を狙う貼り替え詐欺は、なかなか目にするものではなく、ここまで組織的な犯行は見たことがありません。スーパーで見られる貼り替え詐欺師は、主に中高年の主婦によるもので、そのほとんどが単独犯なのです。今回は、食品スーパーで捕らえた貼り替えオンナ詐欺師について、お話ししたいと思います。
当日の現場は、東京都内の住宅地に位置するスーパーN。地階に食品売場、1階が衣料品、2階では書店やドラッグのほか、多くの日用品も扱う総合スーパーです。朝市や夕市、タイムサービスな ど、たくさんのイベントで固定客を掴んでいる地元の人気店で、いつも混雑しています。今月は、勤務シフトの半分以上が、このお店。その半分ほどを消化したところ、捕捉のない日はなく、店長や副店長の信頼も得られたようで現場における居心地もよくなってきました。私たちの仕事は、結果が全てなのです。
「おはようございます。これから入りますので、よろしくお願いいたします」
「おお。待っていましたよ。ちょっと一緒に、一服行きましょう」
事務所に挨拶に出向くと休憩室に誘われ、どことなくチョコレートプラネットの長田庄平さんに似ている店長が、自動販売機のドリンクをごちそうしてくださいました。
「毎朝3時に起きて、市場に行ってさ。苦労して仕入れてきたモノを、タダで持っていくなんてヤツは、絶対に許せないよね。持っていかれる側から言わせれば、理由なんて関係ないよ」
聞いたところによると、店長の平均睡眠時間は4時間。激務の中、不毛な万引き処理に時間を割かれるのは耐え難いけれども、放置もできないし許せないから仕方ないのだと、万引き犯に対する怒りを強くぶつけてきます。
「こないだの棚卸、ウチの店の商品ロスが一番多くて、ワーストだったんだよね。ほんと、困っちゃうよ」
商品ロスの量は、店舗管理能力を問われるところ。店長さん自身のボーナス査定や人事査定にも影響するそうで、相当に頭を悩ませておられるように見えました。万引き犯を連れてくるたび、こちらが萎縮するほど怒鳴り散らす店長の真意を知り、少し納得のいく思いがします。