『七人の秘書』高視聴率キープも、劣化版『半沢直樹』? “パッとしない”視聴者評が目立つワケ
『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)をはじめとするヒットメーカー、中園ミホ氏が脚本を担当する木曜ドラマ『七人の秘書』(同)。初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2回13.7%と、視聴率が高水準で推移し、未見の視聴者の間でも話題になりつつあるが、一部視聴者からは初回放送以後、「ぬるい『半沢直樹』みたい」「劣化版『半沢直樹』」など、前クールの大ヒットドラマ『半沢直樹』(TBS系)と比較する声が続出している。
10月22日からスタートした『七人の秘書』は、木村文乃を主演に、7人の秘書たちがさまざまな組織の中で、社会的に理不尽な目に遭う弱者を救うべく、金や名誉に溺れた非情な権力者たちに立ち向かう姿を描く作品。
視聴率は好調そのものだが、初回放送後、SNS上では「リアル感ゼロ」「とにかく内容がぬるすぎる」「パッとしない」「期待はずれ」など、同ドラマに対する不満や批判も相次いでいた。
「同作は、勧善懲悪の“仕返し”がテーマとなった1話完結形式のドラマで、今業界内で最も手堅いとされる要素を、わかりやすく盛り込んだ作品といえるでしょう。視聴率が高いのも頷けます。しかし、昨今のヒット作のおいしいところ取りに徹したような内容に、物足りなさを感じる視聴者がいるのも事実。作品として冒険している部分が何一つ見当たらないだけに、ストーリー展開に雑な印象を受けたという声も見受けられます。また、同じく“仕返し”をテーマにした『半沢直樹』が、ちょうど前クールに放送されていたのも、視聴者評価を下げた要因かもしれません。初回の舞台が銀行だったこともあり、ネット上には『女版・半沢直樹』との指摘が多数上がったものの、『「半沢直樹」よりスカッとしない』と比較されてしまうことに。このままいくと、視聴率は下降線をたどるかもしれません」(テレビライター)
テレビライターは、キャスティングに目新しさがない点も、視聴者評がいまいちな理由ではないかと考察する。
「特にメインキャストである菜々緒と広瀬アリスは、それぞれドSキャラとドジっ子キャラを演じており、これまで演じた役のイメージと似通っています。完璧な売れ線ドラマであり、冒険心、遊び心が少ないのが、このドラマの特徴といえるのでは」(同)
それでも脚本の中園氏は稀代のヒットメーカー。今年、13年ぶりとなった篠原涼子主演の『ハケンの品格』(日本テレビ系)では、苦戦が伝えられながらも、全話平均視聴率12.7%を記録している。『七人の秘書』も中園マジックにより、高視聴率のまま有終の美を飾る可能性もなきにしもあらずだ。