コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

立川志らく、「料理は女性がするもの」議論の発言に考える『グッとラック!』が視聴率低迷のワケ

2020/10/08 21:00
仁科友里(ライター)

 テコ入れのためだろうが、『グッとラック!』は9月末から、メインコメンテーターなる聞きなれないポジションを作り、ロンドンブーツ1号2号・田村淳を投入した。

 10月6日放送の同番組では、元テレビ東京アナウンサー・大橋未歩が「『料理は女性がするもの』と考える方にはドン引きします」と自身のインスタグラムにアップしたことを取り上げた。同番組の取材に対し、大橋アナは「女性が『結婚した』と男性に言ったときに、男性から『料理はできるの?』とすぐさま言われているのを見聞きしたことがありまして、『結婚=料理』という認識の方もいるのかなと思ったことがありました」と、性別によって役割を決められることに関して、違和感があると話していた。

 番組では、この問題について議論が繰り広げられたが、ハセンアナは「フツウに何の意識もなく、聞いていました」「悪気はなかった」と告白。同番組の出演者で、後輩の若林有子アナからは、ハセンアナに「料理ができない」と言ったところ、「だからモテないんだよ」と指摘されたというエピソードまで暴露され、「料理を女性に作ってもらうことに憧れがある」と弁明していた。

 一方の淳は、自分は料理ができるので、「料理ができるのか?」という質問は、単なる日常会話に過ぎず、仮に「できません」という答えが返ってきたら、「じゃ、旦那さんが作るんだ」と聞き返すとのこと。3時のヒロイン・福田麻貴は「昔は女性がするのが当たり前」「女性はみんなオトナになったら、料理ができるようにならないとあかんねや」「合コンとかで『料理できるの?』と言われて、『できない』って言えないな」「ちょっとコンプレックスみたいな感じになってきたところに、大橋さんとかがこういうことを言ってくれた時に、『ほんまやん!』となる」と述べた。

 そんな中、淳は「じゃ、言わせてもらいますけどね、女性誌でさんざん料理を作るオンナがモテるみたいなことを言って、さんざん料理スキルを高めましょうってあおってるんですよ。男子には、結婚したら女性が料理を作るんだって刷り込まれている人もいると思う」と、料理問題は女性が作った圧であると主張。ハセンアナは「いいぞ~!」と同調する。

 ここで、なぜか志らくは「女性が、お母さんが料理を作っていたのは間違いだっていうのはおかしな話で」と言い出す。「日本は、お母さんが(料理を)作ってきたという文化があるわけですよ。中には本当の女中のようになって、苦しんでるお母さんたちもいたかもしれないけど、でも、お母さんが(料理を)作っていて幸せだった家庭もいっぱいある」「現代の女性が、そういう世代を否定するのは失礼」と持論を展開。誰も昔の女性を否定するようなことは言っていないので、話が飛躍しすぎな気はするが、このあたりが『グっとラック!』の視聴率が、いまいち伸びない理由……特に“女性視聴者”を逃している理由ではないだろうか。

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