声優・中村悠一、事務所移籍も本人にメリットは少ない!? 「フリーになれば大儲けできるのに」と業界関係者が首をかしげるワケ
声優・中村悠一が、10月1日付で長年所属していたシグマ・セブンからインテンションに移籍したことを発表した。インテンションは、声優・鈴村健一が代表取締役を務める声優事務所である。ところで、声優が事務所を移籍もしくは独立する背景には、一体どのような理由があるのだろうか。
「理由は大きく分類して3つあります。一つは、オーディションに参加する機会を与えてもらえなかったり、希望している仕事の機会に恵まれないなど、事務所のマネジメントに不満がある場合です。次に、事務所にマネジメント料を引かれるのが嫌になったケース。事務所にもよりますが、給料から大体2〜3割を“マネジメント料”として天引きされる一方、フリーになれば、ギャラは100%自分の取り分になりますから、ある程度知名度が上がると独立する声優は増えてきていますね。最後に挙げられるのが、所属事務所の将来性が見えない場合です」(声優業界関係者)
シグマ・セブンは、青二プロダクションや81プロデュースなどの最大手声優事務所と比べると小規模な事務所ではあるが、「ナレーションの仕事に強く、年齢を重ねても手堅く稼げる案件を多く抱えているところが特徴」(同)だという。対して移籍先のインテンションは、「声優初のTOKYO FMでのラジオ帯番組など、鈴村自身は目立つ案件は持っていますが、事務所としては特徴ある案件は持っていない印象」(同)とか。また、会社設立は2009年とまだ歴史が浅いために、事務所直結の養成所から目立つ新人はデビューしておらず、「事務所力」は未知数だ。
「本来、事務所を辞める際、独立を考えない場合は、よりランクが上の事務所に移籍をしてステップアップを図るケースが業界では一般的ですが、中村は明らかにランクを下げている。はた目から見ると、中村自身にメリットがあるようにはあまり感じられません。むしろ中村クラスの声優であれば、フリーになれば大儲けできますから」(同)
そんな中村に対し、ネット上では、今年4月にアトミックモンキーを退所した杉田智和が代表取締役を務めるAGRSへの移籍を予測する声もあったが……。
「杉田と中村はプライベートでも仲が良いですから、二人で面白い企画を立ち上げたり、声優として新たな道を開拓できるのでは? と期待するファンも多かったのでしょう」(同)
中村は、12日にYouTubeで配信されたウェブ番組で、「作品の制作会社ごとに担当マネジャーが存在するため、マネジャーと1対1で仕事がしたかった」と移籍理由を明かしているが、「今回の移籍でインテンションは確実に『おいしい』思いをしている」(同)という声も。
「稼ぎ頭の鈴村と櫻井孝宏は現在46歳と、もはや“若手枠”ではありませんから、女性をターゲットにした“イケメン声優”売りから別の方向へシフトしていかなければなりません。となると、人気は若手に奪われていくでしょうから、10年後を見据えてどのような売り方をするのか、正直見えてこないのです。事務所の未来が不透明なインテンションにとって、40歳と世代がやや下の中村が移籍してきたことは、『カモがネギ背負って来た』という感じではないですかね」(同)
ドル箱声優の中村悠一を、今後インテンションがどう売り出して行くのか注目だ。