なぜ小池百合子に人は熱狂するのか!? 魅せられた女たちが語る、ベストセラー『女帝』座談会
A 百合子の名シーンの一つだと思うのが、阪神淡路大震災で家を失った被災者の女性が窮状を訴えたところ、マニキュアを塗りながら応じて「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます?」と言ったというエピソード(1996年)。人情のかけらもなくて震えた。百合子、ホントすごいよね。
全員 すごい。
B 北朝鮮拉致被害者の記者会見が終わった後、被害者家族がいる前で「私のバッグがない」「あったー、私のバッグ、拉致されたかと思った」と言ったというエピソード(02年)もすごい。こんな人がいるんだと信じられない。
全員 すごい(笑)。
B 13年には玉城デニー(当時は衆議院議員、現沖縄県知事)に対して「日本語読めるんですか」「日本語わかるんですか」というとんでもない差別的ヤジを飛ばしている。
C 19年には、東京オリンピックのマラソンについて「涼しい所でと言うなら北方領土で」と発言。散々イメージを大事にしてきた人なのに、なんでそういうことを言うのかが不思議じゃない? 戦略家だけど天然か、よほど他人の心が考えられない人なんだろうね。
B そういえば、小学5年生の時に校内の弁論大会で優勝したときのタイトルが「ウソも方便」だったんでしょ? 小5でその精神が宿ってるって、気合と年季が違う。百合子って、政治家じゃなければ素晴らしいエンターテイナーだと思う。
C 名人芸のようだよね。水俣病関西訴訟最高裁判決で、原告の水俣病患者に対して官僚が作った原稿を棒読みしたり(04年)、沖縄の基地問題については「沖縄のマスコミは理想主義で現実と乖離している」と発言したり(06年)、いろいろと「クズだな」と思うエピソードはあるんだけど、16年の都知事選で石原慎太郎を打ち負かして自民党推薦候補を大敗させたというのを見ると、グッときちゃう。かっこいい。百合子のこと、嫌いになれないんだよね。
――後編につづく(10月11日公開)