なぜ小池百合子に人は熱狂するのか!? 魅せられた女たちが語る、ベストセラー『女帝』座談会
C 本書の一番の読みどころとなっている、「カイロ大学を首席で卒業」という学歴の詐称疑惑はどうだった? 「首席」については、18年6月15日の記者会見で「先生から『非常に良い成績だったよ』とアラビア語で言われたのは覚えておりますので、うれしくてそれ(主席)を(自著に)書いたということだと思います」と、勘違いだったと言い訳している。
A そんな小学生みたいな言い訳をするんだと驚いたよ(笑)。都知事が言うことじゃないでしょ。あまりにも、すぎてツッコめない。卒業については、カイロ大学側も卒業したことを公式に認めているものの、大学と癒着しているのではないかという疑惑もくすぶってはいるよね。
B 「アラビア語が堪能」というのが百合子の武器だけど、専門家に言わせたら「中1レベル」。ごく簡単な日常会話レベルとも本書に書いてあるね。これが事実だとして、美智子皇太子妃(当時)とサウジアラビアの商工大臣夫人の通訳に行ってしまう百合子、すごい。普通は怖くて行けないよね? バレたらいろんなものを失ってしまうとか、考えてないのかな。
C それよりも、そこで得られるもののほうが重要だと考えてるんだろうね。百合子は常に攻めてる!
A それで、なんとかなっちゃってるしね……。アラビア語ができると売り込んだことで、テレビの世界に飛びこみ、ほとんど実績もないのに『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)の初代メインキャスターに。そうやって、うまくいったのは、女だからだよね? 「カイロ大卒でアラビア語が話せるきれいな女」は、テレビ的に価値になるから、多少経歴が怪しくても、「このまま起用しちゃえ」ということなんだろうね。男だったらもっと徹底的に過去を調べられていたはず。
B アラビア語に加え、ミニスカートとハイヒールを武器にしてキャスターから都知事まで登り詰めたってわけだ。ミニスカートやハイヒールがウケるというのは、ほとんどの女はわかってると思う。ただ、それをやるかやらないかの違い。そして百合子は、何か手にいれるためには差し出せる。その気持ちが私にはわからないし、そこまでして成り上がりたいのはなんで? って思うんだよね。
C ミニスカートとハイヒールで何かを得ても虚しくなるような気がするけど、百合子は全然ならない。環境大臣時代には「クールビズ」を打ち出したり(05年)、自民党の応援歌を作詞してあべ静江に歌わせてCDを作ったり(10年)、「東京アラート」や「密です」といったキャッチーな言葉を作ったり、時流を読んでうまく乗っているところがすごいよね。やってることが、広告代理店っぽいな。ただ、上手なのはイメージ作りだけで、よくよく考えると何しているのかよくわからない(笑)。
B 「政治こそマーケティングであります」と、16年の都知事選のときに訴えていたらしいね。百合子、マーケティング大好きそうだもん。ただ、こないだの都知事選のキャッチコピーは「東京大改革2.0」。「2.0」って、確かにはやってたけど、いまさら!? 「ちょっと百合子、鈍ってきてるんじゃない?」とガックリきたよ。