サイゾーウーマンコラム52歳の父が若年性認知症に コラム 老いゆく親と、どう向き合う? 52歳の父が若年性アルツハイマーに……「まともな会話もできない」「無表情で無言」娘の感じた異変 2020/09/13 18:00 坂口鈴香(ライター) 老いゆく親と、どう向き合う? “「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)。そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。 コロナ禍で、看取りや葬儀の簡略化が進んでいる。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、終末期の患者であっても、家族の面会が制限されている医療機関は少なくない。最期の時間をともに過ごすことができず、十分なお別れができない状況に、あとあと遺族に悔いが残らなければいいのだが。 himawariinさんによる写真ACからの写真 父と最期に会えたのはたった15分 三井麻美さん(仮名・31)は、2カ月前父の義徳さん(仮名)を亡くした。享年64歳だった。 病院から「危ない」と連絡があり、母の典子さん(仮名・63)、兄(39)と駆け付けたが、コロナ禍で許された面会時間はわずか15分。医師からは、誤嚥性肺炎だと告げられた。 「父は苦しそうだけど意識ははっきりしていて、この山を乗り越えれば、またいつも通り元気になるんじゃないかと思っていました」 そんな思いもむなしく、義徳さんと会えたのはそれが最期となった。 3日後に典子さんから、義徳さんが亡くなったと連絡が来て、義徳さんが入っていた施設に向かった。 「施設で、いつも面倒をみてくれていた担当スタッフの方に、『頑張ったから、たくさん褒めてあげてくださいね』と言われて、涙が溢れました。父が施設に入って5年。ずっと面倒をみてくださった施設の方には感謝の一言です」 次のページ 52歳で若年性アルツハイマーと診断 12次のページ 楽天 母が若年性アルツハイマーになりました。 関連記事 「母を見ると、もう別人だった」ギャーっと叫んで暴れる姿に、娘は……介護の修羅場「老人ホームに入れるしかない」82歳の“意地悪ばあさん”、ボケるどころか……娘・息子の暗澹たる思い認知症の母は壊れてなんかいない。本質があらわになっただけ【老いてゆく親と向き合う】「突然大声を上げて怒り出す」要介護4の父と生活保護の兄……30代女性が背負った“家族”と“介護”の現実高齢者住宅で女たちの大ゲンカ勃発! “ボスババ”と義母が取っ組み合い、仲良しグループ終焉のワケ