カルチャー
「たけし『天才』」広告の闇【後編】

SNSの写真、広告に無断で使われた! 定期購入が解約できない! 誇大・不正・悪質広告でネットユーザーが気をつけるべきこと

2020/09/22 21:00
石徹白未亜(ライター)

――わかりやすさ、というのは感覚的なものなので個々人で違いが生じそうです。例えば、規約部分に「6回縛り」「2回目からは料金が上がる」などが書いてはあるものの、小さな文字で注意しないと見つけられないケースはどうなりますか?

笠井 それがどこに、どう書いてあるかがポイントですね。「2回目から料金が上がる」「そう簡単に解約できない」など、事業者にとって知られたら都合が悪く、一方、消費者にとっては重要なことを、とても小さな文字でわかりづらい場所に書いているなら、「探しにくいよう操作している」として、事業者側にも問題はあります。

――となると、事業者が誰が見てもわかりやすいところに条件を書いていたのに、消費者が、規約を読み飛ばし契約し、あとから「聞いてない! 知らない!」というのは通用しない、ともいえますね。

笠井 消費者が全員善良な消費者ならば通用するでしょうが、残念ながら消費者の中には悪質な方も存在しています。嫌がらせ目的で購入したあと全部返品してやろうという人もいれば、転売目的で購入して落札されなかったから返品してやろうと人もいる。この消費者庁のガイドラインは、消費者を守るためだけでなく、悪質な消費者から事業者を守る目的もあるんです。

ネット広告界における「JARO」はあるのか?

――テレビCMにおいては「嘘、大げさ、紛らわしい」広告はJAROという窓口がありますが、ネット広告においてはそういった窓口はあるのでしょうか。

笠井 包括的な窓口はありません。というのも、ネット広告は運用型、予約型、成果報酬型(アフィリエイト)と3つのタイプがあり、消費者の方からすれば同じ広告に見えるのですが、ビジネスモデルはかなり異なっているんです。たとえるなら「野球」「サッカー」「テニス」に関わる協会を「球技だから一つにまとめれば」というくらい違うんです。なお、アフィリエイト広告に関しては日本アフィリエイト協議会(JAO)、運用型や予約型の広告に関しては日本インタラクティブ広告協会(JIAA)さんなど、そして広告会社や広告主が加盟している日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会さんなどの団体があります。

 消費者の方でウェブ広告がわかりにくく、どこに相談しようか迷われた場合や、ネットの広告で何かトラブルがあった場合は、日本アフィリエイト協議会に問い合わせていただいて大丈夫です。情報提供フォームも用意しています。アフィリエイト以外の相談であっても、こちらから消費者庁など関係各所に連絡する態勢も取れています。

 ただ、こちらとしてもトラブルの証拠がないと動けないので、お問い合わせの際は証拠をいただければと思います。疑ってるわけではないのですが、時々、「サポート担当が個人的に気に入らなかった」など嫌がらせ目的の通報もあったりします。ですので、証拠をセットでいただければと思います。

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