『ザ・ノンフィクション』コロナ禍、歌舞伎町で働き暮らす人たちの今「歌舞伎町 便利屋物語 ~人生を変えた この街で~」
日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。8月23日は「歌舞伎町 便利屋物語 ~人生を変えた この街で~」というテーマで放送された。
あらすじ
トイレの詰まり解消から業務用のエアコン清掃、店内改装、ペットの世話、さらにラウンジでカウンターに立って客の相手まで、何でも24時間365日対応の便利屋「親孝行」。今年で10年目になる社長の由藤神一の仕事ぶりは歌舞伎町の飲食店のオーナーたちから信頼されており、顧客の自宅、事務所の合鍵を50本以上預かっている。
由藤は便利屋になる前は、歌舞伎町のいわゆる「おなべ」の従業員が働くホストクラブで働いていた。由藤は、北海道で2人男の子が続いたあとの、待望の女の子として生まれ、「あやか」と名付けられるも、物心ついたときから自身の性に違和感があり、スカートをはくのも髪の毛を伸ばすのも嫌で、「オトコオンナ」とからかわれることもあったという。
由藤は21歳で歌舞伎町に上京。その後2015年に性別適合手術を受け、戸籍の上でも男性になっている。由藤は歌舞伎町で便利屋として働くことを、街への「恩返し」だと話す。なお、実家の家族との仲は良好で、保育士だった母親のために保育所を開設し、開催した祭りは人で賑わうなど生まれ育った地域社会とのつながりも築いている。
歌舞伎町を代表するクラブの一つ、ホストクラブ愛本店の創業者である愛田武氏が18年に亡くなった際、由藤はその遺品整理と氏の「金色の棺に入りたい」という希望を叶えるため棺の塗装を依頼される。由藤がかつて働いていたホストクラブは愛田社長が開いた店で、由藤がホストクラブで面接を受けた際に、たまたま店にいた愛田氏が後押ししてくれたり、また、由藤の両親が店を訪ねた際も愛田氏が店にいて、「神一だったらどんな仕事をしても成功する 」と言ってくれたのだという。愛田氏の葬儀では由藤が塗装した金色の棺と、祭壇にはシャンパンタワーと「愛」の文字をかたどったオブジェが飾られていた。
20年2月、新型コロナウイルスの影響がまだそれほど見えていなかった時期に、由藤から番組スタッフに20年9月に北海道に戻る、という手紙が届く。歌舞伎町の顧客からは惜しまれていたが、その後新型コロナウイルスのあたかも発生源かの如く伝えられた歌舞伎町の多くの飲食店は休業を余儀なくされる。由藤は帰郷をいったん保留とし、飲食店の休業で失業してしまった人を新たに雇い、歌舞伎町のため働く。