令和の時代、“女らしさ”は誰のため? 「VERY」の掲げる「ママこそリボン」「ママこそ女っぽい」に萎える
子育て女性向け雑誌「VERY」(光文社)9月号が8月6日に発売されました。命の危機さえ感じる猛烈な暑さが続く毎日ですが、今号ではさっそく秋向けファッションも紹介されていますね。コロナ渦のなか、「VERY」はどんな内容を展開しているのか、チェックしてきましょう。
<トピックス>
◎今月の“いい妻”みっこ
◎子だくさんママが、女っぽい理由
◎11人ママカリスマ助産師HISAKOさんってどんな人?PART2 ママはもっとキレていきましょう!
Tシャツとインテリアでのろけるみっこ
今号で5回目となるカバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ」。前半は矢野の“Tシャツ大好き”エピソード、後半は矢野家のインテリア事情について明かされますが、内容は相変わらず薄い。
「私は大のTシャツ好き(ハート)なので旦那さんとの休日デートでもかなり出番の多いアイテムです」と話したり、「インテリアに関しては、100対0で私が選びます!(中略)旦那さんからNGと言われたことはほぼないです。諦められているのかもしれませんが……」「自分の好きなものに囲まれて生活するようになったら、家にいる時間が増えました」といった具合です。
自宅のインテリアについて語るなら、近況報告がてら、ステイホームやおうち時間の過ごし方にも言及すると思ったのですが、見事にスルー。ひょっとして彼女は新型コロナのない異世界にでも住んでいるのでしょうか。なお、写真で紹介されているのは千駄ヶ谷で購入したオーダー家具だというドレッサーのみで、自宅のインテリアを拝むことはできません。「気になる人はYouTubeチャンネルまで見にきてね」ということ……?
“子だくさんママ”から“女らしさ”を学ぶ?
続いて、タイトルからして違和感を覚えてしまった「子だくさんママが、女っぽい理由」。「子育てに奮闘しているとついつい女らしさが欠けてしまう……そんな思いを抱えているママも多いのでは? 同じように子育てに追われているのに決して女っぽさを忘れない、子だくさんママの女っぽさの秘訣を探りました」とのことですが、令和に突入しても「女っぽい」「女らしさ」という表現を多用していることに、まず驚きます。子持ちの女性向けファッション誌とはいえ、“ママだって女”“母親だからって女らしさを忘れちゃダメ”と煽っているようで、萎えます。
内容はというと、“子だくさんママ”たちのファッションコーデや愛用アイテムの紹介ですが、「先輩ママたちの間でも浮かずに安心できるベーシックカラーがお守り」「ママこそ白! ママこそリボン(ハート)」「スカートを穿くだけで思考も女性らしくなれる」など、コンサバな言葉が並んでいるのみ。「VERY」の他企画でもよくある言葉ばかりで、“子だくさんママ”に特化した意味をあまり感じられないのです。
ちなみに、関東・関西、合計で8人の“子だくさんママ”が登場しますが、子どもの人数はなぜか全員3人。子どもが4人以上のママは1人も登場しませんでした。