「東大クイズ王」伊沢拓司、テレビ業界から「ポスト池上彰」の声! バラエティ進出も好評価のワケ
いま、東大ブームがテレビ業界に巻き起こっている。その急先鋒が、メディアで「謎解きプリンス」ともてはやされる現役東大生の松丸亮吾、そして「東大卒クイズ王」こと伊沢拓司という、2人のタレントだ。「謎解き」というカテゴリーに特化した形で松丸が露出しているのに対し、伊沢はクイズ番組以外にも出演を増やしているが、この勢いはどこまで加速するのだろうか?
「昔から、『東大をテーマにすると面白い』と業界ではいわれていて、これまでもちょこちょこ取り上げられていました。レゴブロックで精巧な作品を作り出す『東大レゴ部』が情報番組で紹介されたり、東大の女子学生をバラエティに起用したりとか。そんな中、今の東大ブームのきっかけとなったのは、2016年に始まった不定期特番『さんまの東大方程式』(フジテレビ系)。放送回数を重ねるごとに数字は下がっていますが、テレビ業界における功績は多大です」(業界関係者)
そんな『さんまの東大方程式』から出てきたのが、伊沢だ。もともと伊沢は『全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ系)、いわゆる「高校生クイズ」の第30回大会に高校1年のときに出場し、開成高校を初優勝へと導いた立役者(翌年も優勝し2連覇)。「開成高校のクイズの超人」などとも呼ばれ、東大進学後も『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)などクイズバラエティーに出演していた。
そして、その活躍に目をつけたのが、ワタナベエンターテインメントだ。
「同事務所には、ひふみんこと将棋の加藤一二三・九段や、『ネプリーグ』(フジテレビ系)の地理の解説でおなじみ、東進ハイスクール講師・村瀬哲史など、“おもしろ文化人”が在籍しています。また、『東大王』(TBS系)視聴者ならおなじみの現役東大生、鶴崎修功と『ジャスコ』のアダ名で親しまれている林輝幸もナベプロ所属。そこに伊沢も加わったのですから、クイズタレントをまとめて一手に売り出そうという思惑が見て取れます」(同)
現在の伊沢は、純粋なクイズ番組以外にも『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)でうんちくを披露しながら“街ブラ”ロケをしたり、『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)では迷惑人物を頭脳で撃退する役を演じるなど、クイズを武器に“可動域”を広げている。
「彼を起用する側からすると、既存のテーマも彼の持つ知識を掛け合わせることで、新しく見えるというメリットがあります。これまでは『クイズオタク』というと、ひとクセある印象がありましたが、彼の場合、さわやかでイヤミがない。だからバラエティでの露出も増えていったのでしょう」(放送作家)
だが、その一方で当然、活躍の幅が広がることへの懸念もある。
「業界人は飽きるのも早いですから、伊沢との掛け算によってなんとなく新しく見えていた番組も、見慣れたと思ったら切り捨てるのも早い。それに、まず視聴者が辟易する可能性も高いでしょう。クイズ番組、バラエティ番組、情報番組とあらゆるジャンルに登場した結果、『また伊沢かよ』とネットで言われかねない。今のテレビ業界はネットの声に敏感なので、それによって淘汰されていく可能性もあるでしょう」(同)
そんな中、伊沢は「ポスト池上彰を狙える」と指摘する声も。
「わかりやすい解説で番組に引っ張りだこの池上彰も、先日70歳を迎えました。仕方ないことではありますが、時折、滑舌がイマイチだったり、しゃべりが止まったりすることも見受けられます。伊沢は物腰が柔らかいですし、池上の穴を埋める日が来るかもしれませんよ」(前出・関係者)
現在、情報番組『グッとラック!』(TBS系)ではコメンテーターを務め、教養バラエティ『林修の今でしょ!講座』(テレビ朝日系)にもレギュラー出演している伊沢。確かに、その延長線上に「ポスト池上」も見えてくるかもしれない。視聴者から「また伊沢か」と言われる前に、次の手を打つことはできるだろうか。
(村上壮亮)