フジテレビ『ザ・ノンフィクション』だけじゃない!? NHK、TBSでも勃発するドキュメンタリーのヤラセ問題
7月28日付の「東京スポーツ」が、フジテレビ系で不定期に放送されているドキュメンタリー番組『NONFIX』の“ヤラセ疑惑”をスクープ。番組出演者の証言を掲載し、同局にヤラセがまん延している可能性を指摘した。
「『東スポ』は、2015年放送の『NONFIX』に出演していたラブドール愛好家・兵頭喜貴氏に取材。同氏は、もともと“特殊な趣味”を自覚していたにもかかわらず、番組側から『好きだった人が病気で死んだから、人形を買った人』という設定を強要されたことや、これまで人形と会話したことはないのに、撮影中に“人形との会話”を命じられたことなどを明かしています」(週刊誌記者)
フジテレビといえば、今年5月、恋愛リアリティ番組『テラスハウス TOKYO 2019-2020』(Netflixほかで配信、フジテレビ系で放送)の出演者だった女子プロレスラー・木村花さんが死去したことをめぐり、ヤラセが問題視されていた。
「花さんは、番組内での言動がSNSで批判され、誹謗中傷に悩んでいたと言われていました。そんな中、『週刊文春』(文藝春秋)は、花さんがスタッフから“ヤラセ指示”を受けていたと報道。また今月、フジの看板ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』の人気シリーズ『マキさんの老後』に出演していたマキさんとジョンさんも『週刊女性』(主婦と生活社)でヤラセがあったことを告発しています。これを受け、今回の『東スポ』は、フジでヤラセが常習化している可能性を指摘。一方、これまでにドキュメンタリーのヤラセや過剰演出が発覚したのはフジだけではありません」(同)
例えば、TBSでは、15年1月に放送した『水トク! 激闘大家族スペシャル 17歳で産んだ我が娘が17歳でまさかの妊娠…』で、まさかの“妊娠偽装”が行われていた。
「同番組では、福岡で暮らす大家族の長女の妊娠・出産をメインに密着していました。その中で、長女が妊娠8カ月でバイクに乗り、母親から注意されるというくだりがあったのですが、実はこのときすでに、長女は出産済みだった。わざわざおなかにタオルを入れ、“妊婦がバイクを運転している”ように撮影していたそうです。さらに、“祖父の支援”によりスーパーマーケットで買い物をする……というシーンも、実際は番組側が費用を負担していたといいます。TBSサイドは、同2月に、番組ホームページでこれらのヤラセを認め、謝罪しました」(同)
その謝罪文には、「いずれも、本来はテロップ表記などで『再現』であることを明らかにすべきでした」と書かれていたが、「この番組は外部の制作会社に制作を委託したもの」という記載もあり、一部ネット上では「TBSは責任転嫁しようとしてない?」「ヤラセって認めたくないんだろう」などと指摘されていた。
「NHKの『ドキュメント72時間』も、15年2月放送の『便利屋、都会を走る』という回をめぐってヤラセ問題が浮上。番組が取材した『便利屋!お助け本舗』は、スタッフがさまざまな依頼に応える“便利屋”で、タレント・坂本一生が同3月まで取締役を務めていたことでも知られています。その坂本が、同5月8日発売の『週刊ポスト』(小学館)で『僕は広告塔として会社に利用されていました』と告発し、さまざまな番組で披露していた“便利屋エピソード”もほとんど捏造されたもので、『ドキュメント72時間』についても、同番組に登場した『娘たちから送られたマッサージチェアを自宅2階に運びたいという61歳女性』は『お助け本舗』関係者の義母だったなどと明かしたんです」(出版関係者)
「お助け本舗」側がヤラセをしていたという話だが、同9日の「東京スポーツ」は、NHK側もこの事実に気づいていた可能性を示唆し、NHK広報部に取材を行っていた。しかし、「同行して作業を撮影させていただくこと以外、何のお願いもしておりません」というコメントを得たものの、肝心の「ヤラセを把握していたか否か」については回答がなかったそうだ。
ドキュメンタリーのヤラセ問題は、視聴者の信用に関わるものだけに、疑惑が浮上した際はしっかりと説明責任を果たしてほしいものだ。