米人気トーク番組、打ち切りの危機!? 司会者の差別とパワハラ発覚で「彼女はモンスター」「もう引退したら?」バッシングの嵐
司会を務めるエレン・デジェネレスの洒脱なしゃべりと、世界的スターからネットで話題の一般人まで、時流を読んだゲスト選びで国民的トーク番組となった『エレンの部屋』(2003年~)。しかし、米テレビ界きっての人気者だったはずのエレンが、「コロナ禍において最も評判を下げたセレブ」として悪評の渦中に立っている。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、3月には『エレンの部屋』のスタジオでの公開撮影が中止に。翌月、番組の一部スタッフへの給料の未払いが伝えられると、ネット上では「07年に脚本家によるストライキで人気深夜トーク番組の撮影がストップした時、司会者のコナン・オブライエンは自腹を切って番組従業員75人の給料を支払っていたのに」「いつも『思いやりの心を持とう』と呼びかけているエレンは、スタッフには冷たいんだね」と叩かれるように。
ネット上には「彼女の下で働いていた」人たちの「この際だから言わせてもらうけど、エレンはテレビではめちゃくちゃ気さくでいい人ぶっているけど、実際の彼女は意地悪」といった書き込みが相次ぎ、エレンのイメージが悪化。リモートスタイルで続いている『エレンの部屋』の視聴率は低迷し、番組が打ち切られるのではないかという臆測が流れた。
7月初めには「番組が終了することを悲観したエレンが自殺した」という悪質なウワサが流れ、「#RIPEllen(エレンよ安らかに眠れ)」というハッシュタグがTwitterのトレンド入り。しかし、そのような事態になっても、ユーザーからは「自業自得」と、同情はほとんど寄せられなかった。
7月半ばになると、米ニュースサイト「BuzzFeed」が、『エレンの部屋』元スタッフ10人の「番組の製作総指揮者3人からの嫌がらせやイジメが横行する、劣悪極まりない職場だ」という告発を報道。「自殺未遂後、入院のために1カ月の休みをとったら、追い打ちをかけるように解雇された」などの不当な扱いや人種差別を受けたといったあまりにもひどい告発に「楽しい番組の裏で、そんなことが起きていただなんて!」と世間は騒然となった。
現地時間27日、米カルチャーサイト「Variety」は、これらの告発を深刻に捉えた放送局WBTVの親会社「ワーナーメディア」が、内部調査に乗り出すと報道。「いよいよ番組終了へのカウントダウンが始まった!」と大注目されている。
「Variety」によると、同社関連会社の幹部たちは、先週スタッフに、『エレンの部屋』の撮影現場に関する聞き込み調査を行うことになったと通達。エレン個人は内部調査の対象にはなっていないが、「BuzzFeed」で告発した元スタッフたちは「スタッフはエレンには話しかけないようにと命じられている」「自分の番組なんだから、現場で何が起こっているのか、きちんと把握し関与すべきなのに」などと憤りをあらわにしており、番組と共にエレンのイメージもこれまでにないほど下がっている。
実はエレン、これまでも度々その言動がバッシングされてきた。昨年10月には、テキサス州で開催されたNFL(アメリカンフットボール)の試合の中継で、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の隣に座り、楽しそうに観戦している様子が放送された。これに対しても、「レズビアンでリベラルなエレンが、同性婚禁止案に賛成し、(イラクやアフガニスタン)戦争を開始した保守的な共和党の元大統領と一緒にいるなんて!」とネット上でたちまち炎上。『エレンの部屋』で、「彼とは友達。私は異なる思想や信念を持っている友人がたくさんいる」「私はいつも『思いやりの心を持とう』って言っているけど、自分と同じ思想を持った人だけを思いやって、という意味じゃない。全ての人に対して思いやりを持ってほしいの」と説明したものの、しばらく火種はくすぶっていた。
世間がやっとこの騒ぎを忘れたかけた11月末、番組にゲスト出演した女優ダコタ・ジョンソンに、エレンは「あなたの誕生日パーティには呼んでもらえなかったけど、どうだった?」と質問。ダコタからは、「招待したわよ。昨年、この番組に出演した時、『誕生日パーティに招待されなかった』ってネチネチ言われたから。(昨年は)私のことを好きかどうか知らなかったから、招待しなかったんだけど」と引きつった笑顔でディスられるハプニングが発生。慌てて「好きよ!」と言うエレンにダコタは白目をむき、「なぜあなたが私の誕生日パーティに来なかったのか、番組のプロデューサーにでも聞いてみたら」と冷たく突き放した。
プロデューサーから「ここ(カリフォルニア州)にいなかったのよ」と教えられたエレンは、「あぁ、あれがあった日か。遠すぎて行けなかったんだわ」と弁解。その後もギクシャクは続き、「『エレンの部屋』史上最悪に気まずい回だった」と話題騒然となったのだが、ネット上で「ダコタの誕生日パーティが開催された週末、エレンはブッシュの隣の席でNFL観戦をしていた!」と指摘され、再び炎上。
ほかにも番組に登場したアジア人ゲストへの対応が失礼という指摘がネットを飛び交ったり、大型電子掲示板Redditへの「テレビ業界で働いているけど、エレンと働いたことがあるって人は、みんな彼女はモンスターだと言っている」という書き込みをはじめ、Twitterにも具体的な暴露ツイートがあふれ返っている。
今年4月には、自主隔離生活を送る邸宅から番組を放送したエレンが、「刑務所の中にいるみたい」と笑いながら発言。「高級住宅街に建つ、2700万ドル(約28億)の大豪邸が刑務所!?」「大半の視聴者が、狭い家でトイレットペーパーや食料、生活費に困っている時に、そういう冗談を言うんだ……」と大バッシングが巻き起こった。その後も、番組のゲストや、エレンのセキュリティ担当者から、彼女のパーソナリティに関する暴露が続いた。
『エレンの部屋』の3人の製作総指揮者たちは、「オープンで安全な職場環境を作ろうと努力していた」「それなのに嫌な思いをした人がいると聞き、心を痛めている。我々は、そういう人間ではない。エレンが我々に課した命令でもない」という声明を発表。「より良い職場環境を作るよう努力する」と約束したが、ネット上では「いや、もう無理でしょ」と突き放す声が多く、「エレンのお気に入りのプロデューサーだなんて、きっと意地悪な人たちなんだろうね」「エレンも、そういった環境を容認してたんでしょ」と、バッシングはさらに高まっている。
番組のギャラは年間5000万ドル(約53億円)で、総資産は3億3000万ドル(約346億円)だと伝えられているエレン。若く見られるがすでに還暦を越えていることもあり、「もう引退したらいいんじゃない」「妻ポーシャと末長くお幸せに。もうテレビに戻ってこなくていいから」などと、冷ややかな声が多く上がっている。