コラム
老いゆく親と、どう向き合う?
「お母さんに告知しますか?」がんステージ4の母、要介護4の父――30代女性が抱えた両親の介護
2020/07/12 18:00
優先順位の筆頭だった予算、ホームの費用はどれくらいかかっているのだろうか。聞いてみたところ、「前払金ゼロのプランで、月額40万円」という答えに驚いた。これは高くはないだろうか?
「高いです。正直なところ、そう遠くない時期に手持ち資金は底をつくのが見えています」
経済状況を第一に考えるようにアドバイスされたはずなのに、これだけ頭の回転の速い中村さんがそこだけ見落としたとも考えられない。どういうことなのか?
「実は、今の仕事と並行して、大学時代の恩師が取り組んでいる事業プログラムの手伝いをしているんです。それが、日本で生きづらさを抱えている人たちが東南アジアにコミュニティをつくって暮らすというものです。高次脳機能障害を持つ父が、まさに生きづらさを抱えているし、引きこもり経験のある兄もそう。父は海外が好きなので、このプログラムが実現すればそこに移住してハッピーに暮らせるんじゃないかという目算があったんです。それで、今のホームは高いとは思いつつ、終の棲家にするつもりはなかったので、費用については目をつぶったんです。ところが、このコロナ禍で事業がストップしてしまっていて、どうしたものか、悩んでいるところなんです」
――続きは7月19日更新
最終更新:2020/07/12 18:00