「清原和博の辛抱は、あと3年」、『薬物依存症』を読んだ元ポン中が言うワケ
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
元ポン中が読んだ『薬物依存症』
清原さんの新刊『薬物依存症』(文藝春秋)、皆さんはお読みになりました? もうめちゃくちゃ感動しましたよ。6月15日に執行猶予期間が満了したそうで、それに合わせて出されたそうです。「2016年2月2日の逮捕から4年4カ月。覚醒剤取締法違反によって懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決」やそうです。
一冊目の『告白』(2018年、同)は、暗いし、やっぱり迷いや被害者意識を感じましたが、今回は「だいぶ落ち着いてきたんとちがうかな」ちゅう印象です。
やっぱりね、パクられ(逮捕され)たら、被害者意識はめっちゃ強くなるもんです。私もそうでした。つい「なんで私だけ? ほかにも悪い人めっちゃおるのに」と、泣けてくるんですよ。クスリなんかに手を出した自分が全部悪いのに。でも、今回は「清原さんは、ツラいながらもがんばってるんやなあ。これなら大丈夫やな」と思えました。
「ありがとう」は魔法の言葉
大丈夫と思った理由はいくつかあるんですが、まずは本を買うてみてください(笑)。
ちょっとだけ言っちゃうと、「ありがとう」の数がめっちゃ多いことですね。電子書籍で買うた編集者さんが数えてくれたんですが(笑)、1冊目に出てくる「ありがとう」の数は2つ。しかも1つは清原さんやなくて記者さんの言葉です。
でも今回はナント9つで、1つは警察官の言葉(苦笑)ですが、あとはみんな清原さんの言葉です。これだけでも全然ちゃいますよね。心変われば、「ありがとう」を使うところも変わるんです。ちなみに「感謝」は、1冊目は4つ、今回は5つやそうですが、1冊目のうち2つは「野球」と「巨人」への感謝やからビミョーなところです。でも、今回はタクシーの運転手さんを含めて全部、人への感謝やから、これはすごい進化です。
やっぱりね、「ありがとう」は魔法の言葉なんですよ。自然に言えるのは、もうかなりいいセンいってるゆうこと。ちなみに警察官の「ありがとう」とは、清原さんに職務質問ののち尿検査をした担当者の言葉ですからウケましたね。
「(検査の)ご協力ありがとうございました。この(採尿して検査した)尿は、いりますか?」
これには、編集者さんが驚いていました。
「これって、誰にでも言うんですか? 清原さんへのイヤガラセ?」
もっちろん検査した人、全員に言います。私も毎回言われてます。髪の毛も唾液も、みんな「私のもの」やから、「持って帰る?」と聞かれるんですよ、マジで。
誰がいるか!(笑) その場で廃棄させますわ。飲尿療法とちゃうから。