コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第512回】

手越祐也から消えた「ジャニーズタブー」と「忖度マスコミ」――退所後の報じ方に変化は?

2020/06/23 21:00
神林広恵(ライター)
「週刊女性」7月7日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 手越祐也が電撃退所! まあ、あまり驚かなかったが。本日20時からの会見を、ジャニーズ事務所忖度のマスコミが、どんなトーンで報じるのか。注目!

第512回(6/18〜6/23発売号より)
1位「手越祐也 “ケンカ別れ退社”全真相!」(「週刊女性」7月7日号)
同「手越祐也 『もう我慢できねえ!!』反逆の退所通告」(「女性自身」7月7日号)
2位「不定期連載 有名人が仰天告白『あのとき、私は……』 宮崎謙介『報道後は裏切り者を特定するため人によって話す内容を変えていました』」(「週刊女性」7月7日号)
3位「シリーズ人間 小林麻美 私、66歳。パパ、81歳。夫婦で追い続ける芸能界の夢!」(「女性自身」7月7日号)

 芸能活動を自粛中だった手越祐也が6月19日、ジャニーズ事務所を退所した。発表では“合意解除”とされたが、しかし「週刊女性」「女性自身」ともに“ケンカ別れ”“反逆の退社”と銘打った。確かにそうなんだろう。

 ただし、両誌とも突っ込んだ内容はなし。そもそも手越は事務所と直接話し合うのではなく、弁護士をつけての話し合いだったというから仕方がない。「週女」は手越が芸能活動を休止してから、NEWSメンバーが誰一人手越に連絡をしなかったこと、また「自身」では、NEWSツアーがコロナの影響で中止になった上、スキャンダルで批判を受けたことで手越が「我慢できねえ!」と退所を決めたなど記されている。2誌の内容としては、そんなところだ。

 相次ぐジャニーズ事務所からの退所だが、しかし、ここまで手越を野放図にさせたのも、スキャンダルを屁とも思わせなかったのも、そもそもはジャニーズ事務所とマスコミのせいだ、ということは押さえなければいけない重要な点だ。

 マスコミは長い間、ジャニーズタレントの熱愛や不倫、乱交、そして警察沙汰まで数多くの不祥事を封殺してきた。もちろん「ジャニーズタブー」のためだ。

 その中でも手越は、異様にスキャンダルが多かったにもかかわらず、異様に優遇されてきたジャニーズタレントだった。ネットでは大騒ぎとなった7億円金塊窃盗事件容疑者との写真、未成年者との飲酒問題、また益若つばさ、きゃりーぱみゅぱみゅ、紗栄子、小嶋陽菜、柏木由紀など数多くの芸能人たちとの熱愛に、ナンパ女性の“お持ち帰り”、そしてコロナ禍での安倍昭恵夫人との“花見”、そして今回の緊急事態宣言下での2度にわたる飲酒・パーティ報道。

 しかし、最後の2回以外、マスコミはそれを大々的には報じることはなかった。たとえば安倍昭恵夫人との“お花見”では、ワイドショーがその証拠写真を紹介する際、手越の顔の部分には“ぼかし”を入れていたほど。それは手越がジャニーズ事務所の最高権力者だったメリー喜多川会長とその娘・藤島ジュリー景子社長の母子のお気に入りだったから。手越はジャニーズ事務所と御用・忖度マスコミに守られてきたのだ。

 だが、ジャニー喜多川社長が逝去し、タレント管理に厳しい滝沢秀明副社長体制になった。そしてジャニーズがコロナ感染防止支援のユニット「Twenty★Twenty(通称トニトニ)」を結成したにもかかわらず、その真逆の行動をとった。で、さすがのジャニーズも切れた。マスコミにも「お灸を据えて構わない」と容認した。で、今度は手越が逆ギレした、というわけだ。なんだかなぁ。

 そして本日23日20時、手越は会見を開く。これをマスコミがどう報じるか。マスコミ人脈や応援する人物も多いと言われる手越だけに、ワイドショーをはじめマスコミの動向に注目したい。

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