カルチャー
[再掲]インタビュー

バカリズム、中丸雄一、カズレーザー出演『家事ヤロウ!!!』大人気! それでも「女性の家事負担問題」が根強いワケ

2020/06/24 22:00
サイゾーウーマン編集部
『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)公式サイトより

 バカリズム、KAT-TUN・中丸雄一、メイプル超合金・カズレーザーの“家事初心者”3人が、家事をゼロから学ぶドキュメントバラエティー『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)。番組公式サイトで、「基礎中の基礎から、今すぐ役立つテクニックまで“狭く” “深く” “ユルく”家事をイチからではなくゼロから徹底的に学んでいきます」とあるように、「キッチン汚れの落とし方」「洗濯物の干し方」「アイロンのかけ方」といった基礎から、「豆腐料理」「スイーツ」「炊き込みご飯」など、さまざまなレシピにチャレンジするお料理企画まで、家事にまつわる幅広いテーマを取り上げ、人気を博している。

 誰しもの生活に関わる「家事」だが、こと夫婦間では、「家事の分担問題」が物議を醸すことがある。日本では、男性に比べ、女性の家事負担が大きく、それによって女性側が不満を溜めこんでしまうことが珍しくない。近年では、男性も家事に取り組むようになってきたというものの、ネットを見てみると、「夫は仕事から帰ってくるとソファーから一歩も動かない」「食器を流しに持っていくことすらしない」「洗濯機の使い方すらわかっていない」など、女性の家事分担にまつわる“悩み”がいくつも見受けられる。

 男性タレントが家事を学ぶ番組が支持され、男性も家事をするのが一般的になってきた一方、それでもまだまだ女性側の家事負担が大きいのはなぜか。サイゾーウーマンでは過去に、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)の著者であり、家事研究家の佐光紀子氏に取材を行い、その疑問についてお聞きしていた。佐光氏が「女性自身が家事に求めるレベルが高すぎることが背景にある」と語るワケとは。今回、あらためてこのインタビューを掲載する。
(編集部)


(初出:2018年4月7日)

家事のやりすぎが“国を滅ぼす”? 完璧主義な日本女性の“手抜き”が重要なワケ

 育児に積極的な夫「イクメン」、家事に協力的な夫「カジメン」という言葉が生まれて久しい。しかし、厚生労働省によると、2016年度の男性育児休業(育休)取得率は過去最高とはいえ、たった3.16%。女性の育休取得率81.8%とは圧倒的な差が開いている。さらに世界的に見ても、日本の家事分担率は低く、女性に大きな負担がかかっているのが現状だ。日本の家事分担の実態について、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)の著者であり家事研究家の佐光紀子氏に、詳しく話を聞いた。

■完璧な家事をしようとする日本の女性

 諸外国の女性と比べて、日本女性が家事をしすぎているのは事実であり、実際のデータにも如実に表れている。たとえば、16年のOECD(経済協力開発機構)の統計によると、男性が家事を分担する割合は、OECD加盟国平均で31%。これでも少ないといわれているが、日本に至っては半分以下の15%にまで落ちる。なぜ日本人男性の家事分担率は低いのだろうか? その理由のひとつに、女性自身が家事に求めるレベルが高すぎることが背景にあると、佐光氏は指摘する。

「夫に家事を頼む妻側が、『自分のやり方が正しい』『ちゃんと正しい家事でなければ』と思っているケースは多いのです。たとえば、服のたたみ方ひとつとってみても、妻側に『正しい』たたみ方がある。夫が『ちゃんと正しく』できないと、ダメだしされたりするわけです。そうなると、家事そのものの難易度が上がってしまうので次第に苦痛になり、なかなか家事分担が進まなくなってしまうのです」

 12年、ダスキンが行った「主婦のお掃除実態調査」でも、日本の主婦のほぼ半数(48.4%)が「トイレ掃除は毎日すべき」と回答するも、夫側の答えは2割弱という結果だった。夫がよしとするレベルでは、妻が到底満足しないことは、想像に難くない。この意識のギャップが、家事分担率の低さに表れているといえる。

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