声優・鬼頭明里、ライブ“チケ代2倍”は「仕方ない」? コロナ禍で「金策に走る」倒産危機の声優事務所も……
新型コロナウイルスの影響で、音楽ライブやイベントの中止が相次いでいる中、アニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)のヒロイン・竈門禰豆子役などで知られる声優・鬼頭明里のライブツアーのチケット代が2倍近く値上がりしたことで注目を集めている。Twitterでは、一時「チケ代2倍」というワードがトレンド入りした。
公式サイトによると、今年9月から10月にかけて、東京・大阪・愛知で開催される鬼頭のファーストライブツアーの料金は、当初6,800円(税別、以下同)だったが、政府が発表したコロナ禍におけるイベント開催の収容可能人数制限に則ってライブを開催するため、予算の都合上、1万2,000円に価格改定を行うという。ネット上では「正直、仕方ない」「それでも行きたい人は行く」などの肯定的な意見のほか、「無理すぎ」「つらい」などの悲鳴も飛び交っている。
「声優業界にとって、ライブやイベントは最大の収入源なので、業界内は現在、前代未聞の痛手を負っています。そのため、チケット代の値上げは致し方ないところでしょう。ナレーションやアニメなどのレギュラー仕事で食べていけるベテラン声優はともかく、アイドル的な人気に支えられている若手声優にとっては死活問題。新型コロナの影響で、毎週末行われていたイベント興行が全て中止となり、収入はゼロに等しい状態になっています」(声優業界関係者)
人気声優たちは毎週末にアニメやゲームなど出演作品に関連したイベントに登場し、そのギャランティはアニメのレギュラーの数倍になるという。また昨今ではアイドルやアーティストとして音楽活動を行う者も増え、声優がキャパ1万人を超えるホールやアリーナでライブを行うことも当たり前になってきた。
「しかし、やはりコロナの影響でアリーナクラスのコンサートが軒並み中止になり、なおかつ先の見通しも立たない状況のため、これまで所属声優のアイドル人気にあやかってきた声優事務所や音楽レーベルはこれからの方針を必死に模索していると思いますよ。特に大打撃を食らっているのは、個人事務所を立ち上げフリーで活動している声優や、小規模声優事務所。ベテラン勢を多く抱えている大手声優事務所は、ナレーションなどの安定した仕事が入りますのでやりくりはできますが、イベント収入に重きを置いていた事務所は軒並み金策に走っているでしょう。イベント収入以外で収益を上げる戦略を打ち出せない事務所は潰れていくんじゃないですかね」(同)
順風満帆の声優業界であったが、新型コロナウイルスの打撃を受け、業界の在り方を再考する必要に迫られている。今後の展開を見守りたい。