『glee』リア・ミシェルが黒人差別禁止を訴えるも、黒人共演者から差別的言動を次々暴露される!
5月25日にミネソタ州で発生した、警察官による黒人男性ジョージ・フロイド氏の“殺害”事件。ジョージが店舗で偽札を使ったとして逮捕される際、白人警察官が8分間にわたり膝で彼の首を押さえつけ、ジョージは搬送先の病院で死亡した。アメリカでは黒人に対する不当逮捕、警察官による過剰暴力や殺害事案が何度も繰り返されてきただけに、多くの一般市民やセレブがSNSで抗議メッセージを発信している。
しかし、かつて万引で逮捕されたことがある人気リアリティ番組『ザ・ヒルズ』のステファニー・プラットが、今回の抗議活動に乗じて店舗から商品を強奪する人たちを強い言葉で批判して、「お前が言うな!」とバッシングされたり、女優ロリ・ロックリンの娘で、名門大学への裏口入学が明るみになったオリヴィア・ジェイドが「白人特権を使って黒人を守ろう」と呼びかけて、「さすが親の名声や特権を使いまくった女」と叩かれるなど、大きくイメージダウンしたセレブも中にはいる。
社会的現象にもなった大ヒットミュージカルドラマ『glee/グリー』(以下、glee)で主役レイチェル・ベリーを演じた女優リア・ミシェルも、そんな一人。事件発生から4日後の29日に、「ジョージ・フロイドがこんな目に遭う理由は何ひとつない。この特別ではない事件が二度と起こらないよう、止めなければならない」と、「ブラック・ライヴズ・マター(編注:黒人への暴力・差別禁止を訴えるスローガン)」のハッシュタグをつけてツイートした。すると『glee』で共演した黒人俳優たちから、「根っからの差別主義者くせに平和なんか語るな!」と言わんばかりに、撮影所でしていたイジメを次々と暴露されてしまったのだ。
トップバッターは、『glee』のラストシーズンであるシーズン6に出演していた黒人女優サマンサ・ウェア。リアのツイートに対して、「爆笑。あなた、私のテレビ初出演を生き地獄にしたの、覚えてないの?!?! 私は絶対に忘れないけど。あなた、私のウィッグにクソするチャンスがあったらしてやるって、みんなに言ってたのよね?ほかにも、このままハリウッドで働くべきか考えさせられるようなマイクロアグレッション(自覚なき差別行動)をしてくれたじゃない?」と暴露。
サマンサが演じたジェーン・ヘイワード役は、黒人特有のアフロヘアという設定であり、リアは、この大きくふわふわしたアフロのウィッグを、“草むらみたいだから、しゃがんでうんちできそう”などと「無意識のうちに」侮辱したものと思われる。あまりにもひどいこのマイクロアグレッションに、Twitterは騒然。「黒人をバカにをする奴に、ブラック・ライヴズ・マターなんか語る資格なし!」とリアへの非難が殺到した。
サマンサの投稿から間もなくして、シーズン1~6にメルセデス・ジョーンズ役で出演していた黒人女優アンバー・ライリーもTwitterに、「それ知ってる」という仕草をするGIF画像を投稿し、ネット上は「彼女もリアのイジメを把握してたんだ!」と大盛り上がり。
シーズン3~6までウェイド・“ユニーク”・アダムス役として出演していた黒人女優アレックス・ニューウェルもまた「彼女のこととっちめな!」というGIF画像を投稿してサマンサを支援。「一度だけ言うわ……友人にトラウマ的なことが起これば、自分も同じように感じ、経験する……それが友情だよね……そのことを理解できない人は問題だわ……」と、事情を知っていると言いたげな意味深ツイートをした。
すると、このアレックスのGIF画像を、ウィリアム・ベリという黒人ドラァグクイーンがリツイートし、「リアは私のことを人間以下に扱ったの。だから『glee』の撮影所から出て行ったのよ」と、ゲスト出演する予定だったがリアのせいで出演を蹴ったことを明かした。制作スタッフの中にもLGBTQがおり、ストーリーにおいても性的マイノリティや障害者に関連する問題提起が入っていたことから、「『glee』ってLGBTQの味方だったんじゃないの!?」「リアは黒人だけじゃなく、LGBTQに対してもマイクロアグレッションするんだね。最低」と大バッシングする声が上がった。
ほかにも、『glee』に1話だけ出演したダビエという黒人俳優が、リアのツイートに、「僕がほかのキャストと一緒のテーブルに座るのを許可してくれなかったよね。『あなたはここに属さないから』って。フ●ック・ユー、リア」というコメントを乗せてリツイート。「Twitterでは、いつもみんなに楽しんでもらおうと心がけているけど、彼女のメッセージ見たら、『glee』のセットでの最悪な記憶が蘇ってきてね。(差別問題を抱える黒人たちのことを)気にかけているように演じるフェイクな彼女に、我慢できなくって」と痛烈に批判した。
実は『glee』放送当時から、リアの女王様のような態度はメディアに書き立てられていた。犬猿の仲といわれているサンタナ・ロペス役のナヤ・リヴェラは、2016年に発売した自叙伝『Sorry Not Sorry』で、「彼女は私を無視するようになった。そして、(最終の)シーズン6では、とうとう私に一言も発しないという状態になってしまった」と暴露。18年3月にメインキャストが集まり同窓会ディナーを楽しんだ時にもリアの姿はなく、「嫌われているから、呼ばれなかったのだろう」とウワサされた。
一部のファンは「あの頃のリアは大スターだったのだから仕方ない」とフォローしているが、ネット上では「本当にクソ」「デーヴァというよりビッチだね」というバッシングのほうが圧倒的に多い。
当のリアはサマンサらの暴露ツイートに対して一切反応しておらず、問題の投稿も削除せずにそのままにしている。それを「厚顔無恥」と捉える人も多く、ますます炎上。ブラック・ライヴズ・マターやLGBTQへの差別も絡んでいることから、イメージを回復するには相当な時間がかかるものとみられている。