「ブスは描きたくない」「僕に技をかけるポーズで」コスプレイベントで耳にした“衝撃的な一言”ベスト4
カネと欲望が渦巻くコスプレ業界――40代“現役”コスプレイヤー・椎名蜜が、業界の闇をぶっちゃけます!
5月初旬、Twitter上で「#コスプレイベントで言われた衝撃的な一言」というハッシュタグが盛り上がりを見せていました。ほのぼの、ほっこり、クスッと笑える一言を投稿している人が多かったのですが、今回は30年近くコスプレを続けてきた椎名蜜の、ドロドロ、トンチキ、忘れられない「#コスプレイベントで言われた衝撃的な一言」をお届けしたいと思います。
■同人作家兼カメコ(40代男性) 「僕に技をかける感じの目線とポーズで、写真お願いします」
「自分がひたすら女の子にプロレス技をかけられる」という、自作のカオス同人誌を見せてきて、「こんな感じで」と私にポーズを“指導”してくるカメコがいました。コスプレを始めたばかりの時で、格闘ゲームのキャラクターの衣装を着ていた私は、一生懸命「そうだよね、格闘っぽいポーズしてほしいんだよね!」と素直に応じました。
しかし、ある程度物事がわかってきたころに、「ああ、私は“欲望の捌け口”にされてしまったんだ……」と落ち込みました。要求されたら断れないだろう、初心者っぽい子を狙ったかもしれないと思うと、さらに気持ちが悪いですよね。コスプレイベントは風俗じゃねーぞ!
■中規模コスプレサークル主(30代女性) 「写真集、売れてなさそうなのにね〜」
コミックマーケットで写真集を販売していたところ、彼女に「うちのサークルから写真集を出さないか?」と誘われました。「モデル料を支払う」とのことでしたが、自分でモデルを務め、自分で写真集を販売したほうが見入りがいいと知っていたので、丁寧にお断り。すると、こんな捨て台詞を吐かれました。
……いやいや、「売れてそう」だから声かけたんじゃないの? あなたが売れてなさそうだから、こっちも乗っからなかったんだよ! 見知らぬ人からの誘いには、慎重になりましょうね。
■古参ファン(20代男性) 「付き合ってくれないの? ああ、目から血が出てくる……」
長らく粘着されていたファンにある日、突然告白されたときのことです。彼いわく、強いストレスがかかると、目から血が出てしまうとのこと。実際にそういう病気はあるようですが、彼の目から出る血を止めるために、私が好きでもない人と付き合わなきゃいけないのも、意味がわからない話です。
当時私は結婚していたので、「あのさ、私、旦那いるんだけど、不倫しようって言ってるの? どういうつもり? もし付き合ったとしてさ、バレたら慰謝料とか払える? 私の面倒も見てくれるわけ?」と説教。これくらい言えば冷めるかと思い、強めに言いました。すると、彼は普通に“涙”を流しながら去っていきました。その後は連絡もなくなり、コスプレイベントにも姿を現さなくなりました。
■有名ゲームイラストレーター・A(50代男性) 「ブスは描きたくないんだよね」
Aさんの生み出すキャラクターが好きすぎて、そのキャラのコスプレしかしないような熱狂的ファン・Bちゃん。あるイベントへ一緒に参加し、Bちゃんが「私の似顔絵を描いてほしい」(Aさん作キャラのコスプレをしながら)とお願いしたところ、ためらいもなく「ブスは描きたくないんだよね」と一言。色紙にサインだけ書いて、Bちゃんに渡していました。
うしろで一部始終を見ていた私は、放心状態になるBちゃんを見てオロオロ……。どうやら、Aさんにはお気に入りのコスプレイヤー・Cちゃんがいて、その子の絵を四六時中描いているようでした。それが発覚してから、BちゃんがCちゃんをボロクソに叩き始めたのは、言うまでもありません。
コスプレイベントは、ほかにもたくさんの“キラーワード”が飛び出します。想像の斜め上をいく、濃厚なキャラクターが多いコスプレの世界……一言でそれを感じさせてくれる彼らに、とりあえず敬意を表しておきます。