女のための有名人深読み週報

石田純一、「カネ」への態度に見る人となり……息子への「お金だけが人生じゃない」という言葉に思うこと

2020/05/21 21:00
仁科友里(ライター)
石田純一オフィシャルブログより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「お金だけが人生じゃない」石田純一
「女性自身」(光文社)2020年5月19日発売号

 相手の人となりを判断するとき、多くの人が、その人の“発言”を根拠にするだろう。「こんな立派なことを言っていたから、立派な人に違いない」と判断するわけだ。しかし、人間には嘘をつく能力があるので、言っていることが本心なのかはまた別の問題になってくる。

 なので、言葉ではなく、相手の実際の行動を判断基準にするべきだという人もいる。例えば、愛妻家であることを公言していた芸能人が不倫をしていたとしたら、その人を愛妻家とみなす人は減るだろう。

 しかし、他人の行動を逐一見張ることはできないわけだから、行動で人格を定義するというのも現実的ではない。それでは、何でもって相手を判断すればいいかというと、「カネ」に対する態度だと私は思っている。資本主義社会において、カネは命の次に大事なものといっても過言ではない。カネをもらうことに躊躇はなくても、なるべくなら払いたくないというのが、多くの人の本音ではないだろうか。だからこそ、カネの払い方や遣い方に人となりが表れるし、またカネを払った場合は大概証拠が残るので、ウソもつきにくい。どんなに立派なことを言っても、例えば税金や養育費など払うべきものを払わない人、金遣いが荒い人は、その程度の人と言えるのではないだろうか。


 今、芸能界で一番カネのやりくりに頭を痛めているのは、俳優・石田純一かもしれない。

 石田が新型コロナウイルスに感染したことを発表したのは、4月15日のことだった。所属事務所の説明によると、石田は「仕事のため」沖縄で経営する飲食店を訪れて打ち合わせをした。しかし、体調が悪かったためホテルで安静にした後、帰京。病院に行ったところ、新型コロナウイルスに感染していることがわかり、入院したという。そして、この発表の翌日、実際には仕事関係者とゴルフに行き、プレー中に体がだるく感じたということも公表した。

 緊急事態宣言が出ている中での、沖縄訪問。ゴルフが不要不急の案件に該当すると感じた人は多く、石田は批判にさらされた。そんな中、「スポーツニッポン」が新たな爆弾を投下する。

 石田は4月5日にも、北関東のゴルフ場でプレーをし、その後女性を交えて食事会を行ったとのこと。この食事会に参加した複数のメンバーが、新型コロナウイルスに感染していることがわかったといい、石田もこの会で「もらってしまった」可能性はゼロではない。

 もし石田がこの会で感染したと仮定するのなら、石田は沖縄行きの飛行機で乗り合わせた人、客室乗務員、空港の人、自身が経営する店や宿泊したホテル、ゴルフ場の従業員の感染リスクを高めてしまったと考えられる。石田が故意に感染させようとしたとは思わないが、軽率だとそしられるのは仕方がないことだろう。体調が回復したとしても、好感度が落ちた石田に仕事のオファーがあるかは不明なので、収入が減る可能性は否めないし、もし副業の飲食店を経営し続けるなら、光熱費や家賃や人件費などは払い続けなくてはいけない。


 失墜したイメージを回復しようとしているのか、「女性自身」(光文社)の電話取材に応じた石田は、現在、自宅内で家族と隔離されて生活していること、病室で死を意識し、息子さんに「偉くなるとか、お金をいっぱい稼ぐだけが人生じゃない。努力して新しい自分を獲得すること。これが本当に大切なことなんだよ」という遺言まで用意したことを明かしている。

石田純一お金のくどき方