コラム
【連載】現役コスプレイヤーが“業界の闇”ぶっちゃけます。

“エロコスプレ”以上に稼げるかも!? 「BL好きオンナ」が欲望を丸出しにする、ディープで怪しい“男装”の世界

2020/05/16 18:00
椎名蜜(ライター)
『劇場版 TIGER & BUNNY』公式サイトより

カネと欲望が渦巻くコスプレ業界――40代“現役”コスプレイヤー・椎名蜜が、業界の闇をぶっちゃけます!

  私は以前、コスプレイヤーの友人・Cちゃんに「男装で“合わせ”をしてみない?」と誘われたことがあります。「合わせ(併せ)」とは、条件を決めて数人のコスプレイヤーで集まり、撮影や交流を楽しむこと。 「『ONE PIECE』のキャラクターで集まろう!」「金髪のゲームキャラクターならなんでもOK」といった形で、主催者が参加者を募り、イベントや撮影会で「コスプレ合わせ」を行います。コスプレを始めたばかりの人は、合わせに参加して仲間をつくる、なんてこともできます。

 Cちゃんに誘われる前から、少し男装に興味があった私は、すぐにOKを出しました。当時大流行していたアニメ『TIGER & BUNNY』(以下、タイバニ)の鏑木・T・虎徹を私が、Cちゃんはバーナビー・ブルックスJr.のコスプレをすることに決定。もともと男装をしていたCちゃんに、男装メイクのコツや胸の潰し方(私は“ナベシャツ”というものを使いました)、男性っぽいポージングなどを教わり、都内の某遊園地で開催されていたコスプレイベントへ繰り出します。

 私はこのとき、遊園地イベントの参加も初めてだったのですが、過激な露出が禁止されていることもあって、カメラマンの行列で人気を競い合うような女性レイヤーはおらず、「純粋にコスプレが好きで、仲間内で楽しみに来ています!」というような雰囲気の方が多かったです。そんな中で、虎徹な私とバーナビーなCちゃんは、遊園地内でゴーカートに乗ったり、一緒にランチをしながら、「遊園地で楽しむ虎徹とバーナビー」的な写真を撮影しつつ、まったりイベントを楽しんでいました。

 しかし、私はあることに気がつきます。いつもは目を合わせて普通に会話をしてくれるCちゃんが、どこかぎこちないのです。何か言いたげな様子のまま、そろそろイベント終了という頃に、彼女は人けのない場所に私を誘い、「虎徹の写真を撮りたい」と言ってきました。

 断る理由も特にないので、彼女が望むままにポーズをとり、撮影に応じる私。そのうち彼女は「絡み撮影がしたい」といい、どこからともなく脚立を取り出して、セッティングを始めたんです。「ツーショット撮影でもするのかな?」と思っていたら、Cちゃんは私を後ろからハグしたり、キス寸前まで顔を近づけたりと、“BL要素”の強い写真を要求。そこでようやく、彼女がなんだか照れていた理由がわかりました。Cちゃんはすっかりバーナビーになりきっており、私……いや、虎徹とイチャイチャしたくて仕方なかったのでしょう。

 今まで、エロカメコに数多のエグい要求をされてきた身からすれば、Cちゃんが求めてきたことはかわいいもんでした。とはいえ、撮影中は結構ドキドキしてしまい、自分でも動揺……。私の恋愛対象は男性で、BLも特に興味はないのですが、明らかにメス(オスなのか?)の顔になっているCちゃんが積極的に迫ってきて、正直興奮しました。

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