「VERY」子育てに「信念」持つな、英才教育は「子どもを苦しめる」!? 令和の“子育て”論に衝撃
続いて、「元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略」。『令和時代の子育て戦略』(講談社)の著者で、陸上自衛隊のメンタルヘルス教育を務めた経験のある下園壮太氏へのインタビュー記事なのですが、これが衝撃的かつ興味深い内容で、パンチが効いています!
下園氏は、「頑張らせる」「我慢させる」子育てをすることは危険であると、今の子育て世代に警笛を鳴らします。
なぜならAI技術の発達によって、今の子どもたちは2割しかやりがいのある仕事に就けず、8割はマックジョブ(難易度も低く、やりがいもない、給料も低い仕事)になる可能性があるとのこと。「大多数なので自分の子どももそうなると思っていた方がいい」「2割を目指して英才教育を施すのは良いですが、一歩間違えると、それが余計に子どもを苦しめる」と、「VERY」読者の希望を容赦なく打ち砕いていきます。令和は「比較地獄」で「自分の理想や他人と比較して挫折を味わい続ける」とも……。
下園氏によると、令和で幸せになれるは、「身の丈に合った人生」「自己満足が上手な人」で、好きなことに没頭できる「今でいうオタクのような存在」。だから親はなるべくこだわらず、最低限の躾は必要でも、子育てに「信念」や「自分の価値観」を持ち込まず、子どもに「好きなことをさせましょう」と語ります。そして、2割しか就けない“やりがいのある仕事”には楽しさ・美しさを追求する「感性」が求められるそう。令和は「感性・欲求」の時代だといい、そのような仕事に就けずとも「自分の気持ちを大切にできないと幸せになりにくい」。であれば、「我慢」「頑張る」は、これからの時代にはマッチしないということでしょう。
これまでの子育ての“常識”を覆すような下園氏の「子育て戦略」インタビュー。「VERY」読者たちは、どのように受け止めたのでしょうか。子どもは親の教育のみで育つわけでなく、学校などでは「我慢できる人」が求められたりもするのが、難しいところです。
なお、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」では、おうち時間が増えたという矢野が、「後回しにしてきたことや、自分を見つめ直す時間を持ち、家にいても心身をできるだけ充実させ、穏やかな気持ちで過ごせたらいいなぁと思っています」なんてのろけていますが、これもまた「VERY」読者への挑戦でしょうか? おうち時間が増えたところで家事・育児・仕事に追われ、「自分を見つめ直す時間」を持てず、「充実させる」「穏やかな気持ちで過ごす」なんて無理無理無理! な読者も少なくないのでは……。