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なんて読むの!?

テスラCEOのイーロン・マスクが息子に「X Æ A-12」と命名するも、カリフォルニア州では認められず!?

2020/05/08 18:57
堀川樹里(ライター)
俺ワールド全開なネーミングセンスを披露

 宇宙開発企業スペースX社、最先端の電気自動車開発・販売会社テスラの共同創業者で、世界をけん引するカリスマ起業家として知られるイーロン・マスク。子どもの頃に読みあさったコミックに強い影響を受け、米コンピューター会社コモドールの「VIC-20」(日本での製品名はVIC-1001)を使ってプログラミングを独学で習得し、12歳のときに自身が開発したパソコンゲームソフト『Blaster』をPC Office Technology社に売却するなど、絵に描いたような天才児だった。

 そんなイーロンは、2018年、日本のポップカルチャーを愛し、独自の世界観を持つシンガーソングライターのグライムスとの交際を宣言。ぱっと見ミスマッチな2人に世間は騒然としたが、ファンは「最高にギーク(オタク)なカップル」と温かく見守るように。今年1月、グライムスが妊娠を公表した時も祝福した。

 現地時間5月4日、イーロンはTwitterで「あと数時間」とつぶやいた4時間後に、「母子共に健康」とツイート。グライムスが無事出産したことを発表した。そして、ファンからの質問に答える形で、赤ん坊の名前は「X Æ A-12・マスク」、性別は「男」と明かし、フィルター加工をした赤ん坊の写真を投稿。生まれたての我が子を抱く自身の写真も公開し、13万近い「いいね」を集めた。

 どう読むかわからない記号を含む赤ん坊の名前は、ネットでたちまち拡散され、話題騒然。グライムスは翌日、Twitterで「Xは未知の変化。Æは“AI”のエルフ風スペル(愛、そして/または人工知能という意味よ)。A-12は私たちのお気に入りの機体SR-17(※編注:米軍の超高速偵察機)の前身からつけた。攻撃も防御もしない。スピードだけ。非暴力だけど、戦闘ではピカイチなの」と名前の意味を説明したが、ネット上では「全然わからない」「意味不明すぎる」「人間の赤ん坊を産んだんだよね?」「とりあえずどう発音するのか、教えて」などと、戸惑う人が多かった。

 その後、グライムスはイーロンから「(SR-17じゃなくて)SR-71だよ」と突っ込まれ、「手術から回復中で息も絶え絶えなのよ」と返答。Twitterで仲むつまじいやりとりをしていたが、ネット民は「なにもかもが2人の世界すぎて理解できない」と困惑していた。

 この奇想天外な命名には、メディアも注目。米ニュースサイト「TMZ」は、グライムスが出産したカリフォルニア州の法律では人間の名前に記号を使用することは禁じられているため、出生証明書の名前欄に「X Æ A-12」とは記載できないと報道。グライムスは「Aは、私が一番好きなArchangelという曲」ともツイートしていたため、「略して『A』と命名するのか?」と伝えていた。

 イーロンは、最初の妻ジャスティン・マスクとの間に生まれた長男ネバダ・アレキサンダーを生後10週で乳幼児突然死症候群で亡くした後に、体外受精で授かった双子のグリフィンとザビエル、三つ子のカイ、サクソン、ダミアンの5人の子どもをもうけた。全員男児で、グライムスが出産した子は彼にとって7人目の息子となる。上の6人の子どもたちは、宇宙やテクノロジーとは関係ない名前。命名の決定権はおそらくジャスティンが持ち、そのため常識的な名前を付けられたのだろう。

 南アフリカで育ったイーロンは、その早熟した才能もあってか、子ども時代はずっといじめに苦しみ、意識を失うまで殴られこともあったという。過去のインタビューでは「学校を監獄にように感じていた」と話し、従来の教育システムにも疑問を呈していた。息子たちが学校に通うようになると、現代教育では個性や才能が伸びないと考えだし、最高の教育を提供できる理想の学校を設立。「アド・アストラ(天へ)」と名付けたその学校に、5人の子どもたちを転校させた。「アド・アストラ」については詳細がほとんどわかっておらず、「秘密の学校」とも呼ばれているが、「子どもたちを深く愛しているから、ここまでできるのだ」と多くの人が称賛している。

 ちなみにイーロン自身は、子どもの頃から父親と不仲。「悪影響だから」と、子どもたちを父親に会わせていない。2年前に、父親が前妻の連れ子である42歳年下の女性を妊娠させたと知ってからは、絶縁状態となっている。そんな父親を反面教師にし、最高の父親になれるよう努力しているという。

 そんな彼が、7人目の我が子に贈る最初のプレゼントが「X Æ A-12」という名前であることを、冗談だと受け止めている人は多い。しかし、ファンは「イーロンらしい」「グライムスもかなりのギークだから」と大喜びし、「本気っぽい」と見ているようだが、はたして!?

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2020/05/08 18:57
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