ママ友LINEで「旦那さんの給与事情」を聞いて愕然……裕福な専業主婦ママの会話は「相づちすら疲れる」
都下にある幼稚園に、5歳になる息子を通わせている由香里さん(仮名)。彼女は、昨年秋に女児を出産し、週2程度働いていたパートも育児休暇中だ。由香里さんの夫はフリーランスで、書籍や雑誌の特集などの編集やライティングを行っているそうだ。しかし、新型コロナウイルスの影響により、仕事が激減したという。
「3月くらいから、取材や、イベントへのゲスト出演などの仕事でキャンセルが相次ぎました。その時はまだ『そのうちなんとかなる』と楽観視していたのですが、緊急事態宣言で予定が白紙になってしまったんです」
由香里さんの息子が通う幼稚園は、英会話やリトミックなど、情操教育に力を入れている。周りのママたちは裕福な家庭の専業主婦が多く、新型コロナウイルス感染拡大で、経済的に影響を受けていないようだという。
「ママ友とのグループチャットでは、休園している幼稚園がいつから再開されるかという話題や、子どもにどんなDVDを見せているといった内容で盛り上がっています。正直、そんな話題、どうでもよいのですが……。ただずっと家にいると息子も退屈しているので、たまにLINEのテレビ電話で、親しい子とだけ話しています」
自粛期間中は、グループチャットの話題も身の回りのことになりがちだという。
「これまでは、夏まつりや運動会などの準備についてや『夏服をいつから着させるか』というような情報交換をする場所だったんです。でも今は、自粛期間中に、どう過ごしているかという話題が主流。Nintendo Switchのゲーム『あつまれ どうぶつの森』をみんなで一緒にやろうという話とか、ネットで名産品をお取り寄せした話とか。うちはゲーム機もないし、お取り寄せはおろかお店でのテイクアウトも控えてるので、チャットもほぼ相づちだけです」
由香里さんは、困惑した表情を見せながら続ける。
「夫の仕事は先行きが不安で、貸付か給付金を申し込もうと思っています。そんな中、あるママがグループチャットで『四六時中、夫が家にいて息が詰まる』と言い出して。出社禁止、かつリモートワークでは行えない仕事なので、家で旦那さんがずっとダラダラしているそうなんです。親しいママだったので、思わず直接『給与は支払われるの?』と聞いてしまったのですが、会社員のため給与は当然支払われるらしく……。他人を羨ましがっても仕方ないですが、今まで通りの生活を送れているママたちと話すのが苦しくって、最近ではグループチャットで相づちすることさえ疲れてきました」
このように、コロナ禍では、思いがけず、各家庭の生活が露呈してしまうケースもあるようだ。緊急事態宣言が続く限り、ママたちの苦悩もまた続いてしまうのかもしれない。