ハリソン・フォード、あわや航空事故のミス! 過去5年間で3度目の重大トラブルに「もう免許を返納して」
今をさかのぼること3年、ニューヨーク・マンハッタンの渋滞に我慢できず、車から飛び出してブチ切れながら後方の車を迂回誘導させる映像がネットに流出し、大きな話題になった俳優のハリソン・フォード(77)。なかなか動かない車の運転手を怒鳴りつけ、やっと動いた車のボディを「さっさと動けよ!」と言わんばかりにバンバン叩くなど、鬼の形相での交通整理に多くの人が恐れをなしたものだった。
そんな彼が、再び世間を驚かせた。操縦していた航空機を空港に着陸させた後、管制塔からの指示を無視して滑走路を横切り、米連邦航空局(FAA)に調査されていると報じられたのだ。
米ニュースサイト「TMZ」によると、ハリソンは現地時間4月24日、所有するアヴィアット・ハスキーという2人乗り小型機を飛行し、カリフォルニア州ロサンゼルス郡にあるホーソン空港に着陸。別の航空機がタッチ・アンド・ゴー着陸を行っている最中だったため、管制塔はハリソンに「(交差する)滑走路の手前で待機せよ」と指示。しかし、ハリソンは管制塔の指示に従わず、滑走路を横切りろうと動き出した。
公開された管制塔とハリソンの交信記録には、管制官の「滑走路の手前で待機せよ。ほかの航空機が来るから」という指示に対して、ハリソンが「25(通路)を横切ります」と弱々しい声で応答。これに管制官が「私は滑走路の手前で待機せよと言ったんだ! きちんと聞け!」と激怒し、少し間が空いた後、「あ~すみません。反対の意味だと思ってしまいました。大変申し訳ございません!」との謝罪の言葉が収められており、ハリソンのミスだと確認できる。
ハリソンが滑走路を横切っていた時、タッチ・アンド・ゴー着陸をしていた航空機は約1km離れていたそうで、ニアミスではなかった。幸いなことに事故には至らず、けが人もいないが、FAAは状況を調査しているという。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ロサンゼルス郡・市は自宅待機命令を5月15日まで延長しているのだが、そんな状況下で小型機を飛ばした理由について、代理人は「ハリソンはこの日、航空機のメンテナンスと操縦技術を維持する目的で飛行していた」と説明。今回の騒動について、「管制塔からの無線の指示を聞き間違えてしまった」もので、「すぐにミスに気がつき謝罪した」と弁解した。
「TMZ」は、今回ハリソンが飛行したのは、慈善活動をするために必要なパイロット免許を更新する目的があったと報道。これまで数多くのチャリティ活動に参加し、2001年にはワイオミング州で下山できなくなったハイカーを自家用ヘリコプターで救助したというエピソードを紹介し、人の役に立ちたいから彼は空を飛び続けるのだと伝えた。
ハリソンは、大工をしながら俳優を目指していた1960年代から航空機操縦に興味を持つようになり、90年代半ばに中古のジェット機グラマン・ガルフストリームIIを購入したのをきっかけに、パイロット免許を取得。セスナ208キャラバン、アビアット・ハスキー、ビーチクラフト・ボナンザなど多数の航空機を購入し、趣味を謳歌するようになった。
しかし、99年、00年と、軽微ではあったが2度も事故を起こし、15年3月には第二次世界大戦時代の軍用機を操縦中、エンジンが故障し、ロサンゼルス市内のゴルフコースに緊急着陸。骨盤と足首を骨折し、頭部裂傷を負った。ハリソンは、事故から7カ月後に出演した深夜トーク番組で、墜落時とその後5日間の記憶がないと告白。ファンを心配させた。
しかし、当のハリソンは事故の記憶と恐怖心がないから、空を飛び続けた。そして、17年2月にカリフォルニア州オレンジ郡のジョン・ウェイン空港で、管制塔から滑走路に着陸するよう指示されたにもかかわらず、誘導路に着陸。116人の乗客乗員を乗せて離陸準備に入っていたアメリカン航空のボーイング737機の真上を通って着陸するという、重大なニアミスを起こしてしまった。
この時の管制官との音声も公開されているのだが、ハリソンは、ジェット機に気を取られて滑走路ではなく誘導路に着陸してしまったことを率直に認め、謝罪。空港運営者と話をする際には、「先ほど誘導路に着陸した大バカ者です」と名乗るなど、猛省していた。
あわや大惨事になりかねないニアミスだったため、世間からは「謝って済むことではない」と厳しく責められた。「ほかの飛行機に気を取られていたって、大問題じゃない?」「誘導路へ着陸するのは違反。重大ミスだ」などと、パイロット免許の取り消しを望む意見も上がった。しかし、調査を行ったFAAは「法的な責任は問わない」と決定。ハリソンは免許の維持を許されたのだ。
この5年間に、緊急着陸、ニアミス、管制塔からの指示聞き間違えと、かなりの頻度で問題を起こしているハリソン。今回も大事故になりかねないミスだったことから、ネット上では「大事故を起こす前にパイロット免許を返納してほしい」といった要望が飛び交っている。