「セルフハイフは危険」の風潮に疑問!? 医師が「美容医療、高額すぎる」問題を斬る
高先生によれば、セルフハイフは「イリュージョン」だという。低出力ゆえに、熱エネルギーによって組織を変性させるどころか、皮下脂肪を少し温めて、一瞬、熱収縮を起こす程度に過ぎないといい、「なので小顔になったように思えても、すぐに元に戻ってしまう。3,000円という値段も妥当だと思いますよ」とのこと。
「皮膚は、浅いところから真皮、皮下脂肪、筋層で構成されていて、ハイフは『筋層』にまで熱エネルギー加えると言われ、だからこそすごい、逆に怖いと思われている人もいるでしょうが、本当に『筋層』にまで届いているかなんて、確かめようがないですよね。ガリガリな人と太っている人とでは、皮下脂肪の厚みに差があるので、皮膚から筋層までの距離にも違いが生じるはずなのに、ハイフを受ける際に、皮下脂肪の厚みを考えてハンドピースを変え、照射深度を調整するなんてことはしません。もともと、リフトアップ手術を行う際、この『筋層』を引っ張り上げることから、メーカー側がブランディングとして『熱エネルギーが筋層まで届く』と言っているに過ぎない。単に、メーカー側の売り文句なんですよ」
ハイフの知られざるカラクリを明かしてくれた高先生。その上で「セルフハイフ、全然いいと思う」と述べる理由について次のように語ってくれた。
「クリニックでハイフを受けようと思うと、安くても1回10万円、中には30〜40万円かかるところもあって、とにかく高額すぎる。でも若い人は特に、そんなにお金は持っていないでしょうし、『受けたいけど受けられない』という状況が生まれていると思うんです。でも、施術を受けたい人誰もが受けられるようになるほうが、みんなが幸せになる。だから僕は、値段の安いセルフハイフが広まることはいいことだと思うんです。もしセルフだと、神経損傷のリスクが……というなら、例えば、神経を傷つけかねない部位にハイフを当てそうになったら、アラームが鳴って停止するようなシステムを搭載するとか、機械を進化させたほうがいいのではないでしょうか」
ハイフはクリニックでしか受けるべきではないといった“規制”の風潮が生まれると、ハイフ自体の進化を阻止してしまうのではないかとも高先生は言う。「国民生活センター」からのセルフハイフへの注意喚起は、誰もが気軽に、かつ安全に受けることができる施術が広まるにはどうしたらいいか、という問題を考えさせる契機と言えそうだ。
高尚威(こう・しょうい)
東京美容医療クリニック院長。奈良県立医科大学卒業。タカナシクリニックを始め、都内大手美容クリニックに勤務し、17年に東京美容医療クリニックを開院。「高品質な美容医療と続けやすい安心の価格でご提供する、 美のかかりつけ医」をモットーに診療にあたる。
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