純烈、「3月のライブ収入ゼロ」の今……スーパー銭湯軒並み休業、接触サービスも苦境
新型コロナウイルスは宿泊業、飲食業、小売業、食品製造業など、日本のあらゆる業種を直撃しているが、芸能界もまた例外ではない。ドラマの撮影中断やコンサートの中止が相次ぎ、露出の場が激減する一方、YouTubeで活動を始める芸能人が続出。これまでにないYouTuberデビューラッシュを迎えている。
それに先駆けた2015年にYouTubeにチャンネルを開設し、朗読劇やオフショット動画を投稿してファンを喜ばせているスーパー銭湯アイドル・純烈。その魅力は、気さくな人柄、昔ながらのムード歌謡といった点を挙げることもできるが、まずは何と言っても、ファンとの肌と肌の触れ合いだろう。
「2018年12月31日放送のドキュメンタリー番組『ワンフィクション』(テレビ朝日系)ではライブ後、女性ファンがメンバーとハイタッチや握手をするだけではなく、熱烈にハグをしたり、抱っこしてもらう様子も見て取れました。しかし、そんなファンの『癒やし』となっている“濃厚接触”以前に、メンバーの活動拠点『スーパー銭湯』が軒並み休業してしまっているのですから、活動のしようもありません」(芸能ライター)
それだけではなく、2月リリースの新曲「愛をください〜Don’t you cry〜」発売記念で行われる予定だった個別ツーショット撮影会や各地のディナーショー、コンサートはいずれも中止または延期を余儀なくされている。5月25日からスタートするツアーの開催可否はいまだ発表されていないものの、情勢から考えると予断を許さないだろう。
同じくファンとの接触が激しいことで知られているのが地下アイドルだ。チェキ会と呼ばれる撮影会では、ファンとのハグや“疑似キス”行為は定番ともいえ、ある意味“触り触られ”放題だった。
新型コロナウイルスの「濃厚接触」とされる距離は、国立感染症研究所によると「手で触れることができる範囲(目安として1メートル)」また「感染予防策なしに患者と15分以上の接触があった場合」としている。濃厚接触という言葉だけでファンサービスと結びつけてはいけないが、ネット上では危険視する声がほとんどだ。
「ファンによる接触行為は過激を極め、もはや『ギリギリアウト』という声も聞きます。それでなくても、彼女たちが歌う狭いライブハウスは今や“3密”(密集、密閉、密接)の象徴とされてしまっているんです」(同)
そんな中、アイドルと有料で「生電話」できるイベントを企画するプロダクションが出現。さらには、アイドルがチェキ写真にメッセージを書き込む姿を、ネット越しに眺める「ネットサイン会」なるものも開催しているという。後日、その写真がファンのもとに郵送されてくるそうだが、喜びとともに、虚しさも襲いかねない企画だ。
「そんな中、純烈のリーダー・酒井一圭が4月28日の『グッとラック!』(TBS系)にVTR出演し、『先月3月のライブの収入がゼロ』と現状を報告しました。インタビュアーの『このまま無収入が続くと?』という質問に『今は給料制だが、(いずれ)事務所側に収入がなくなってくる。だんだんストックがなくなって僕らの給料も止まる』と語り、『1年間ももたない。そうなると純烈は存続できない。でも、そうはさせない』と固く誓っていました」(同)
苦節10年以上、メンバーの不祥事・脱退を乗り越え、昨年末は2度目の『NHK紅白歌合戦』出場も果たした純烈。大型フェスや歌番組の出演も相次ぎ、アーティストとしてさらに成長。最近はメンバーの1人、後上翔太の「お坊ちゃま」キャラがフィーチャーされるなどし、幅広い層に認知されていたのだが……。コロナの嵐が過ぎるのを、ただ待つしかないのだろうか。
(市原和郎)