狩野英孝、小島よしお、江頭2:50……YouTubeで意外な高評価を得るピン芸人たち
ここのところ、芸能人のYouTube公式チャンネルの開設が相次いでいる。お笑い界でも、東野幸治や陣内智則、かまいたち、森三中、渡辺直美、霜降り明星、さらば青春の光、EXIT、四千頭身など、ベテランから若手まで、名前を挙げれば枚挙にいとまがない。
「YouTubeというと、最近では雨上がり決死隊の宮迫博之やTKOの木下隆行といった“不祥事によってテレビ出演が叶わなくなった芸人の受け皿”という印象もあり、テレビより下に見る向きも多い。しかし、“カジサック”こと、キングコングの梶原雄太やヒロシらの成功によって、昨今は本気でYouTubeでの動画投稿に取り組む芸人が増えています。梶原のYouTuberとしての年収は1億円超えとも言われていますから、芸人たちの目の色が変わるのも当然でしょう」(芸能ライター)
ちなみに、成功者とされるカジサックとヒロシのチャンネル登録者数は、それぞれ193万人と66万人(4月23日時点)。だが、彼らよりもメジャーな芸人がチャンネルを開設したからといって、登録者数や動画再生回数が、必ずしもその知名度や人気に比例するわけではない。意外な芸人が、YouTubeで高い評価を得ていたりするのだ。
その例として挙げられるのが、狩野英孝。今年1月に公式チャンネル「EIKO!GO!!」を開設し、登録者数は9万3,000人。前述のカジサックやヒロシに比べると微々たる数字で、チャンネル開設当初は再生回数も1万回を切る動画が多かったが、最近になってブレークの様相を呈している。キッカケとなったのが、4月13日に配信したゲームの実況動画だ。
「狩野は人気サバイバルホラーゲーム『デッドバイデイライト』の実況プレーを生配信したのですが、配信中にコントローラーが壊れて操作がうまくいかず、『勝手に斧振らないで! 勝手に斧振らないで!』と連呼。慌てふためく様子が面白いとネット上で話題になり、Twitterでは『狩野英孝』のワードがトレンド入りしたほど。この動画は65万回再生を記録しており、以降の動画の再生回数も軒並み好調です。今後に期待できそうですね」(同)
また、小島よしおが4月に開設した「おっぱっぴーチャンネル」も、評価が急上昇中だ。小島は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で休校となった小学生に算数を教えるシリーズ動画を配信。早稲田大学教育学部出身の小島は動画の中で、ギャグを交えながら小数、面積と体積など算数のオンライン授業を行っており、コメント欄には視聴者から「面白くて、わかりやすい」「こんな先生がいたら算数も苦手にならなかった」などと、大人たちから反響が寄せられている。
「一発屋の印象が強く、最近はメディアに露出する機会が少ない小島ですが、わかりやすいネタとギャグは依然として子どもには大人気。最近は子ども相手に絵本の読み聞かせライブなども行っていて、大盛況らしいですよ。そんな子ども人気をYouTubeに持ち込んだ格好でしょう。自身の経歴を生かし、外出自粛による自宅学習のニーズに応えた“お勉強動画”は戦略的で、さすがの一言に尽きます。登録者数こそ2万5,000人ですが、まだまだ増えていきそうです」(同)
さらに、今年2月にチャンネルを開設したばかりなのにもかかわらず、202万人もの登録者数を誇るのが、江頭2:50の「エガちゃんねる」。「嫌いな芸人ランキング」の常連で、過激な芸風から地上波テレビでその姿を見かける機会が少ない江頭だが、YouTubeではすっかり人気者なのだ。
「チャンネル開設から2カ月半で登録者数が200万人を突破したというのは、国内では嵐に次ぐスピードです。テレビより自由度が高いYouTubeは、江頭の芸風に合っているのかもしれません」(同)
世界中を襲ったコロナ禍は、テレビ業界や芸能界にも深刻な状況をもたらしている。スタジオ収録や屋外ロケができず、多くの芸人たちが収入源を失いつつある中、生活の糧を得るための新たな手段として、芸人のYouTube参入がさらに増えるのは間違いないだろう。