ママ友LINEグループで「学習格差」に落ち込む! 私立小ママの発言に「不安」を抱いたワケ
美穂子さん(仮名)は、都内の小学校に、2年生になる女児を通わせている。美穂子さんは、在宅でデザイナーの仕事をしており、一方、ウェブ媒体の編集者である夫も現在は完全リモートワーク。終日家族全員が家にいる状態が続いているという。
「娘は学童に入っていたのですが、そちらも緊急事態宣言後は、閉鎖になりました。普段、娘にはYouTubeやDVDを見せているものの、すでにもう退屈し始めていて。私も夫もこの先仕事があるか不安だし、正直、子どもの面倒を見ている暇もないくらい悩みが多いんです……」
「毎日、ずっと家にこもっていてつらい」「娘のことを何もできない」……そんなメッセージをママ友とのグループチャットに送ったところ、Zoomという会議用アプリに誘われたという。
「娘と親しいママたちだけの少人数のチャットで、『みんなで顔を見ながらしゃべろうよ』という話なったんです。LINEでもテレビ電話をしてみたのですが、5人くらいだと使いづらいのでZoomをやってみました」
最近、「オンライン飲み会」という言葉を見かけるようになったが、ママ友との間でも、昼ごはんの後や、夕ご飯の前の時間を使って、短時間の「オンライン井戸端会議」が普及しているようだ。
「LINEで『今からやってみます』とメッセージを送り合い、時間を合わせて使っています。まだみんな慣れていないので、Zoomはあくまで顔を見てちょっと話すためだけのものですね。Zoomで話している時、『休校中の自宅学習をどうしているか』という話が出たのですが、みんなタブレット端末で学習ができる『チャレンジタッチ』や『スマイルゼミ』を使っているようでした。実際に使っている様子を見て、『うちは何もやってない』と焦りましたよ」
タブレット端末を使った自宅学習は、学校が休校になってから導入する家庭が増えたようだ。
「それまで我が家では、プリント教材で学習していたんです。でもそれだと親が採点などをしなくてはいけないため、結局やらずに放置。Zoomでタブレット端末を見せてもらった後、気になってLINEのグループチャットで聞いてみたら、『タブレットだと、親が見ていなくても採点してくれるよ』とママ友が詳しく教えてくれました。こういう時、学校からの情報よりも、ママ友の情報のほうが役立つって思いますね。でも残念ながら、この外出自粛のせいで、いま注文してもタブレットが届くまで、すごく待つようなのです」
美穂子さんは、今回の休校措置で、家庭間の学習意欲の差を感じたという。
「ある程度、経済的にも時間にも余裕がある親の子は、タブレット学習のほかにも、KUMONなどのテキストを1日1枚ペースでこなしたり、復習だけではなく、先取り学習もできているようなのです。我が家みたいに、共働きかつ在宅で仕事をしていると、子どもの勉強どころではありませんよ。子どもを動画に集中させ、いかに仕事の邪魔をさせないかが重要になっていました」
今回の休校措置は、家庭での負担があまりにも大きいという声も聞こえる。
「仲が良いママ友が、個人的に『まだ低学年だから、学校が始まれば勉強についていけるよ』とメッセージをくれました。気遣ってくれたのはうれしいけど、それでもモヤモヤは晴れず。今はいろいろな学習サービスがありすぎて、逆に何もしていない不安があります……」
感染拡大を防ぐため、大々的に行われている休校措置。しかし、家庭ごとに事情が違うため、学習に差が出てしまうようだ。ママ友とのLINEグループチャットで、各家庭の事情を共有することにより、「うちはうち、よそはよそ」と割り切れず、苦しむママは少なくないのかもしれない。今後、通常の登校が可能となった時、子どもたちが、勉強に対して苦手意識を持たずに済むよう、学校側のフォローが必要に思う。