「レンタルなんもしない人」だけじゃない!? 女性を借りる「ウーマンレンタル」の実態とは
ウーマンレンタルを運営するイケダさんは、もともと「おっさんレンタル」で“表参道ノハゲ”という名で活動していた(現在は独立)。そんなイケダさんは、人と人がリアルに関わるレンタルサービスが注目を集める理由を、こう分析する。
「家族や仕事以外のリアルな『つながり』を面倒に感じて、心身ともに引きこもりがちな人が多いなか、それでもリアルに人と関わっていたいという人間の本能が、このようなサービスの需要につながっていると考えています。SNSが発達した今も、寂しさや孤独感はリアルなコミュニケーションでなければ、本質的には解消できない。そのつながりをレンタルとして割り切って利用できるおっさんレンタルやウーマンレンタルのようなサービスは、若者を中心に浸透していく可能性が高いですね」
デジタルネイティブな若い世代ほど、効率的でリアルなコミュニケーションを求めているのかもしれない。今後の展開とは?
「個人の生活とはまったく関係がない赤の他人だからこそ、本音で話せることがありますよね。そのなかでも女性に特化したツールのひとつが、ウーマンレンタルであることを“ハゲしく”お伝えしていきたいです」
ウーマンレンタルは、ただの箱。今後、コンテンツの力が上がるかどうかは、登録ウーマンの個性や活躍にかかっている、とイケダさん。
「この種のサービスは、まだまだ俗っぽく勘違いされやすいのですが、今後は在籍しているウーマンが周りの人に『ウーマンレンタルやってます』と胸を張り、利用者のみなさんが『この前ウーマンレンタルを利用したら……』と堂々と言えるようなコンテンツになることを目標にしています」
レンタルウーマンになりたいと応募してくる女性も、増えてきているという。
「応募してきてくれるのは、30~40代の年齢層の女性が圧倒的に多いです。経営者や特殊スキルをお持ちの方など、自分に自信があって、強い向上心を持っているという傾向がありますね」
明確な採用基準は設けていないが、「ウーマンレンタルのコンセプトを、しっかり理解・同意しているか」が重要だという。
「年齢に関係なく、お話をしていて『不快感』がないか、きちんと会話が噛み合うか、などを重要視しています。スキルや経歴、ビジュアルは付加価値程度ですね。幸いなことに、ほとんどの方がウーマンレンタルの趣旨をきちんと理解した上で応募していただいているようで、採用率は約80%ほどです。サイトの内容をまったく読まずに『いくら稼げますか?』というような人は、基本的にお断りしています」
ウーマンレンタルは安定的に稼げる仕事ではないため、「バイト感覚では務まらない」とイケダさん。もともとつかみどころのないサービスだがらこそ、コンセプトの共有が大切なのだろう。とはいえ、人気が高く、オーダーが多いウーマンなら、それなりに稼げるのだろうか?
「売り上げベースでいえば、過去最高で月20万円を超える方もいます。オーダー件数が多く、月に10~20件の依頼が入る方もいますが、価格設定が個々に違うため、オーダー件数が多くても売り上げが低くなってしまうことはありますね。ひとりの人間として、真の市場価値を知ることができるのが、ウーマンレンタルの面白さだと思います」
今後、大きなサービスになっていきそうなウーマンレンタル。誰にも言えないお悩みは、近くの親戚より他人のウーマンに相談してみると、解決の糸口が案外見つかるかもしれない。
(真島加代/清談社)