Hey!Say!JUMP、一番ダンスがうまいのは有岡大貴!? プロが語る「BANGER NIGHT」より「ファンファーレ!」が優れているワケ
――そもそもK-POPとジャニーズのダンスってジャンルが違うんでしょうか?
先生 そうですね。K-POPはヒップホップや、最近だとコンテンポラリー的な動きも取り入れています。また、クランプが流行った後の今のダンス界では、“止め”の動きやヒットさせる動きを取り入れて、体を正面に向けず、あえて肩を入れながら斜め45度で目線を向けるような振付が定番になっています。一方で、ジャニーズの基本にあるのは流れるようなしなやかなジャズダンスで、顔の向きはまっすぐ前。簡単にいうと、体ごと正面を向いて肘を曲げて手のひらを上から下ろしながら首を揺らす振付が象徴的ですね。(下の図を参照)
――クランプは、EXILEのAKIRAさんや三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんなど、LDHのパフォーマーが得意とするストリートダンスですね。
先生 「BANGER NIGHT」はダンス界のトレンドをしっかり押さえていますが、彼らの体に馴染んでいる“ジャニーズ的”な動きとそれほど相性が良くないんでしょうね。従来の路線に戻った「ファンファーレ!」(19年8月リリース)のほうが、彼らの持ち味を活かしていて良いと思います。ダンスはトレンドを追えばいいってものでもない。それよりも、自分たちの得意分野を上手に表現した方が見てる側にも伝わるものがあると思います。
――「ファンファーレ!」は確かに王道のジャニーズソングの色があります。では、先生がHey!Say!JUMPの中で「ダンスナンバーワン」を決めるとしたら誰ですか?
先生 「ファンファーレ!」のダンスで目をひかれたのは有岡大貴くんですね。
――え! 意外です! ファンの中ではやっぱり山田涼介くんのダンスが評価されることが多いんですよ。
先生 そうなんですか?(笑) もちろん山田くんもめちゃくちゃ上手いですよ! でもこれは個人的な好みとして、有岡くんのダンスは目を引くものがありました。肩の入れ方をはじめ、体の動きに個性が表れていて素敵です。
――それはもう声を大にして言っていただきたいです! 本人もあまりダンスは褒めてもらってないでしょうから!
先生 そこなんですよね。それは、彼のパフォーマンスの雰囲気からも出ている気はしました。センターではないし、どことなく本人にも「俺はそんなに観られてないんだろうな」という感覚があるように見えますが、もっとバリバリ踊ったらいいのにな、と思いますよ! もっと自信を持ってダンスを突き詰めていただきたいですね!
<教えてくれた人>
K先生
都内専門学校でダンスを教える30代女性講師。ヒップホップを中心に、ダンス歴は20年。
(文=岩見司)