松嶋尚美、「昨日、家で友達と遊んだ」発言で批判の嵐も……彼女は「天然」ではなく「策士」と感じるワケ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「昨日、友達と遊んじゃって、家で」松嶋尚美
『バイキング』(フジテレビ系、4月8日)
あなたの周囲に、自分に知識や常識がないことをアピールする人はいませんか?
例えば、漢字が読めないとか、言葉の言い間違いを披露したり、入社試験や昇進試験のときに、いかにその場にそぐわない服装や態度で臨んだかを話す人。私はこういう人を見たら、面倒くさそうなので、すぐに距離を置くようにしている。幸いなことに、人に会わない仕事のため、それで済んでいるが、4月8日放送の『バイキング』(フジテレビ系)に出演した松嶋尚美を見て、やっぱりこういう人は苦手だと、あらためて思った。
新型コロナウィルス感染症の拡大で、とうとう7都道府県に緊急事態宣言が出た。新しいウィルスなので、治療薬はなく、対処療法を取るしかない。4月8日の「福井新聞」によると、ワクチン候補は50種類以上あるが、安全性の確認など、越えなければいけない壁がいくつもあるとのこと。となると、薬が開発されるまで、私たちはともかくうつら(さ)ないことを心がけるしかない。
安倍晋三首相は、緊急事態宣言で「人の接触を8割減らして」と呼びかけたが、リモートワークできない仕事も少なくないだろう。また、テレビも新型コロナの影響を受けている。ロケは中止となり、ソーシャルディスタンスを保つため、ゲストの距離は離されている。ニュースやワイドショーも、いかにして感染を防ぐかについて報じているが、そんな中、松嶋は『バイキング」で「昨日、友達と遊んじゃって、家で」と発言。「心苦しい、本当に今日は最後よ」と笑って話し、「今日から(人との接触8割減を)本当にするから」と誓っていた。
松嶋と言えば、千代大海を「千代大会」だと思っていたり、ニコラス・ケイジを「ニコラス刑事」だと信じていたなどの天然ボケエピソードに事欠かないことから、今回の「友達と家で遊んだ」発言も、その延長だと見る人もいるだろう。
しかし、松嶋は万事無防備かというと、そうでもないようだ。松嶋は宅配便のサインをする際に、宅配の人が持っているボールペンは使わず、自分ものを使うと話していた。いろいろな人が触るボールペンにウィルスがついていることを想定した自衛策だろう。
人を家に呼んで遊ぶという、感染の確率を高めかねないことをする一方で、人が触ったボールペンには抵抗がある。これはつまり、自分の楽しみは優先するけれど、人からうつされるのはイヤという意識が強いということではないだろうか。天然ボケというと、何も考えていない人を連想するだろうが、松嶋は自分に甘い一方で、案外ディフェンスは固い人なんだなと感じるのだ。