カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」4月号

「ar」トリンドル玲奈の唐突な「尻出し」が、イメチェン特集号に掲載された意味

2020/04/04 19:00
島本有紀子(ライター)
「ar」4月号(主婦と生活社)

 「ar」(主婦と生活社)4月号は「YES! NEW ME! 私が私を飽きさせない」と題した、イメチェン特集号です。「大切なのは、私が私に飽きてないこと。自分に飽きちゃったら、きっと可愛いもそこで終わり。せっかく私に生まれたんだからガンガン私を楽しもう」という、「ar」らしさ満点のポジティブメッセージで始まります。何かと浮かれた気分になれない今日この頃でも、「ar」は変わらずにポジティブです。今月号の中身を、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎私を変えるスプリングカラー7
◎いきなりキューシンガオ
◎私たち、「「「ar編集部です!!」」」

この春は、何も着ていない系

 まず見ていくのは、「自分のイメージをガラリと変えてくれるような、新鮮な7色との出会い」を提案するファッション企画「私を変えるスプリングカラー7」。その7色とは、「甘いだけじゃないピンク」「ひとさじ明るいベージュ」「まろやかなグリーン」「エモな気分のイエロー」「あったかいパープル」「凪いだブルー」「曖昧なタイダイ」。同誌オリジナルなネーミングです。日曜朝の戦隊モノを「ar」がとびきりエモく作ったら、この7色になるのだろうか、全員弱そうだがリーダーがいるとすれば「エモな気分のイエロー」だろうか……と妄想が膨らみます。

 この企画のコーデもそうですが、今月号で紹介されているファッションの色味は全体的に淡く、素材も透けるシアーなものが多い印象。「ひとさじ明るいベージュ」などは、完全に肌着色です。「まろやかなグリーン」で着ているキャミソールも「ピスタチオ色」という流行色だそうですが、少し遠目に見ればくすんだベージュで、ただの地味な肌着。もっと離れて見れば、何も着ていない人のようにも見えます。

 この春、若者の間では“遠目に見れば何も着ていない系”がはやっているということなのでしょうか。それを象徴するように、今月号の表紙を務めた女優の広瀬すずも、誌面(16ページ)で遠目に見れば何も着ていない系コーデを披露。昭和生まれからは「肌着」としか認識されないであろう肌色のタンクトップを着ています。しかしこの肌着、1万3,000円もするそう。無印良品の2枚セット990円のタンクトップとどこが違うのか、ぜひ実物を手に取ってみたいと感じました。

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