カルチャー
“男性がメイクをする時代”の可能性を考える

ジャニーズ・ラウールとディオールコラボの意義――化粧品業界を席巻する「男性モデル」と、韓国コスメの広告事情

2020/03/25 18:45
有馬ゆえ(ライター・編集者)

 1996年、彼の事務所の先輩にあたる木村拓哉がカネボウのイメージモデルを務めたとき、そのキャッチコピーは「スーパーリップで攻めてこい」だった。それから20年以上たった今、ラウールはディオールのリップを施した姿で東京ガールズコレクションの舞台に立ち、「メンズの方にも使っていただきたいです」と話している。

 そう、ラウールはリップをつけた女性に攻められる客体としてではなく、リップをつける主体として堂々と立ってみせたのだ。こうしたジェンダー意識の更新は、彼だけに見られるものというよりも、今の時代が求めるスター像に必要なものなのだろう。では、メイクが女性だけの専売特許ではなくなったとき、社会はどのように変化していくのだろうか。「男性も化粧をする時代」は、果たして本当に解放なのか、それとも……。次の論考では、学者の分析を交えつつ、男性がメイクをすることの社会的意味について考えてみたい。 

有馬ゆえ(ライター・編集者)

1978年、東京都生まれ。07年からライター、編集者。興味のある分野は、ジェンダー、アイドルとファンダム、離婚家庭の子ども、家族と個人、近代日本の都市文化、プリン・ア・ラ・モード。人の自我形成と人間関係構築に強い関心がある。妻で母です。趣味はコンテンツ消費。育児中につきオタク度低下中。

最終更新:2020/03/26 18:13
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